要旨

 

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*要約者の主観で読者の利便に役立てるため内容を要約したものであり、原文の趣旨を

必ずしも反映していない場合がありますので、原文を読まれることをお勧めします。

また要約についてなにかお気づきの際は事務局までご連絡ください。

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大阪港no020 1954年(昭和29年)第05巻 第2号 Vol.5 No.2
 
 目次詳細・要旨 
最近の協会の動き                      (事務局)    ・・・1
・大阪港の対外貿易促進の問題について 在阪貿易商社代表との懇談
・大阪港指定保税地域委員会の動きについて
・大阪港海難防止対策委員会専門委員会の動き
・第1回港湾講習会の開催について
 
昭和29年の大阪港復興工事計画について          大阪市港湾局    ・・・7
 大阪港は本邦3大港の一つとして発展したが、戦災により焼け野原となり
昭和22年より大阪港修築事業が始まった。その後ジェーン台風を経て災害復旧工事と合わせて
昭和25年より実施し昭和29年度予算は修築事業7.2億 防災事業6.3億 災害復旧 1.5億 
産業関連港湾整備事業 0.2億 合計 15.2億円となっている。 
各区ごとの本年度工事の概略 特に本年度は 修築事業では、道路、物揚場、サイロ施設
防災事業では地盤嵩上げ、埋設物処理補償に重点を置く。事業は補償処理の振興で大きく左右されている。
 
日本海運の現状と問題点             宮本清四郎           ・・・5
最近英国方面から日本の商船隊の復興が著しいとの指摘があるが、経済的基盤、対外競争力の面で分析する
船腹量を1930年から5年間の平均船腹(総トン数)を100として終戦時34現在78となり顕著な復興を遂げた
このうち貨物船は66 油槽船は492となっており、貨物船は割引して考える必要ある。
総船腹の54%が戦後の新造船が占める。商船隊は順調に復興してきているが、経済的諸条件で見ると
定期航路の同盟が崩壊し運賃収入が激減して海運会社の損失が巨額になっている。
海外海運会社は戦時補償により船腹回復を行っている。
日本は、戦時補償を打ち切られたことにより、自己資本皆無となり、高金利、船価高の中すべて借入金で新造船を
作らざるを得なかったが、法律が整備され、船価も1割安く、金利も低下した。
しかし、他国にはない固定資産税、事業税等の負担もあり、外国に比して不利であるため、これらの税負担の改廃が望まれる。
国際収支が悪化している中、貿易外収入の海運収入は重要度を増す。しかし割高為替レートにより膨大な円収入を失っている。
また日本海運会社の対内的な競争により対外競争力が失われている。確固たる海運政策の樹立を要望する。
 
村田省蔵氏の講演より     大阪貿易協会船積研究会での講演                         ・・・8
 戦後のわが国海運は、労働基準法の改悪、高金利、固定資産税で吸い取られ、結果運賃も高くなって
しまっている。各社お金がないので、政府からお金を借りる必要があり、これが海運界の汚職問題にもなっている
海運は復興してきており、悲観していない。念願は英国を追い抜き1000万トン以上の船舶を保有することである。
 
大阪港の編集のあり方についてのアンケート結果                          ・・・8
 
貿易業者と大阪港        貿易協会専務理事             浜野恭平           ・・・9
振興協会幹部と貿易業者との懇談会で挨拶したこと
貿易業者のカーゴオーナーに集まってもらって懇談会ができた。①都心からの距離②台風の心配
③外航船寄港がすくない など意見いただいた。また大阪港はシッピングチャージが安いということもわかった。
貿易業者との緊密な連絡が必要。4月に日本で初めての国際見本市が大阪で開かれる
本町と無料アクセスバスを出してはどうか、貿易商社社員の宿泊、クラブとして振興会館利用できないか。
大阪港を利用する貿易商社、倉庫業者、の皆さんとも古い心のつながりが大切
こうした懇談会をこまめにやっていけば、大阪港の出船入船も多くなると思う。
 
港湾講習会の開催について 振興会館150名 3日間 講習料2000円                       ・・・10
 
米国港湾統計から見た「大阪港」                           椋本修     ・・・11
40日間アメリカの港湾を視察した際ワシントン政府より得た港湾統計を示す。アメリカはピアーヘッドライン外の
水面の浚渫や防波堤建設は陸軍省土木部で行っている。埠頭法線内は港湾管理者が施行する。
アメリカは河川港多しニューヨーク港はピアーが300ある。港湾の建設技術としては大阪港は自信をもってよい
大阪港と関係ある13港の総計資料を整理した。これらから見ると現在の大阪港は世界では田舎の港
であり10か年工事の進捗で世界的港湾となれるよう念願する。
 
倉庫営業の指数について                    住友倉庫業務部次長     松本清   ・・・14
倉庫業の営業活動指数は、月末在庫現代高で表しているが、月末現代高で営業活動を表し得るか疑問
活動面の動態を表していない。様々な統計量を考察すると、取引高が倉庫業における活動指数として適切である。
 
 
随感ー緊縮政策と経済の建直し         日本貿易会関西本部参事  小林忠一     ・・・16
昨年来財政・金融の伸縮が言われ、均衡予算となり半面産業への財政投融資は大幅に削減されることとなった。
これらはインフレ要因の除去を目的としている。しかし今後の具体的な見透しがないため、企業家もどうしようもない。
特に国際収支の改善には対外収支の改善が必要。特に海運、保険について強力な対策が必要である。
輸出振興については今までにも議論されてきたが抜本的な対策が行われていない。日本の経済危機を国民が
よく認識し、建直しにまい進すべきである。輸出第1主義に徹して経済建直しの目標をはっきりさせるべき
西ドイツはじめヨーロッパ各国も着実に復興している。日本も緊縮政策を中心とした経済再建運動に国民を上げて取り組むべきである。
 
「港俳句欄」                            桐の葉港句会      ・・・19
 
鉱石運搬船について(The one carrier)          日立造船船舶営業部営業調査課     ・・・21
海運界の目新しい問題としてバルクカーゴキャリアーが不定期船としての性格から専門化されつつある
鉱石運搬船の建造の歴史現状について以下の項目にそって概括されている。
 〇鉄鉱石需要の増加 〇鉱石運搬船の発生 〇第2次世界大戦前の鉱石運搬船
 〇英国における鉱石船の建造計画
 
昭和28年度における大阪港の艀船可動概況について         大阪港艀船協会  ・・・21
 大阪港での艀の数、活動状況を調査したものを表形式で表示
 〇 はしけ稼働実績表 昭和28年1月~12月
 〇 はしけ稼働実績表(貨物別)
 
「港湾関係の業界便り」                                        ・・・27
  大阪港湾作業援護協会より 「海の子の家」の施設拡張について
  ・大阪倉庫協会より・大阪機帆船業会より・近畿造船協議会より・大阪港艀船協会より・
 
 
「テニス上達の秘訣」  清水善造氏の大阪貿易協会での講演                ・・・29
      「足と間(タイミング)」が大切
 
港湾統計                     大阪市港湾局       ・・・30
昭和28年1月~12月まで入港船舶 出入貨物 外航船舶国籍別 大阪港輸移出入貨物品目種別状況 5大港構成比較
 
税関統計                     大阪税関         ・・・35
昭和29年1月~3月  輸出入額、トン数  全国主要港貿易額調他
 
会報                                       ・・・40
 
 
 
 
 

大阪港no019 1954年(昭和29年)第05巻 第1号 Vol.5 No.1
 
目次詳細・要旨
昭和29年の大阪港に寄す
 緊輝一番しよう              会長   近藤 博夫    ・・・1
  大復興事業を始めて8年目となったが、まだ進捗はまだ半ば。今年はサイロが一部完成、平林の貯木施設も
出来上がり、大正の内港工事も始まる。出入貨物が1200万トンを超え日本第1位となった、外国貿易は3位。
褌を締めなおしてこの難事業と取り組むべき。「大阪の復興は港から」の初一念を貫き努力しなければならない
 
 重点的な復興へ           大阪商工会議所 会頭 杉道助   ・・・2
 大阪港は大阪市の「極道息子」と悪く言う人もあるが、そうではない。大阪産業界と大阪港は形によりそう
影のごとき存在。揶揄されるのは修築工事が予期されたように進まないため。早期完成が必要だが、最緊要工事を
優先的に着工するなど集中投資し見えて成果を上げる方式に切り替えるのはどうであろうか
 
「大阪港便り」(1)                          ・・・2
桜島桟橋の復旧整備工事完成近し ・大阪港のサイロ施設の建設進む 
 
 不撓不屈もつて工事の達成を期す            田中直方    ・・・3
大阪港の復興は戦後わが国最大事業の一つで政府も多額の補助を出している。ジェーン台風により計画遅延をきたしたが、
不撓不屈の愛港精神により今日まで達成できた。港湾土木工事は縁の下の力持ちの仕事でできるだけ予算をつけて
故障のないようにしないといけない。国の財政緊縮により1割削減はやむをえなかったが次の予算では復活できるようにしよう。
 
「大阪港便り」(2)                          ・・・3
・第1突堤背面に繋船岸建設 ・中央突堤基部乗降場近く完成 ・近くカーフェリーもお目見えする
   
29年の大阪港                     神田外茂夫   ・・・4
十か年修築工事、高潮対策工事により着々と進んでいる。大阪市の総合的発展に絶大な寄与をする。
大阪港は広大な近畿産業地帯を背後に持つため、原料資材輸入が多いが、今後海外輸出を伸ばすべきだ。
そのため国際見本市の開催、大阪商品のPRが必要。商工会議所75周年記念事業として大阪経済復興審議会で議論した。
大阪港振興、阪神貿易振興の在り方など。大阪港経済振興対策を実施し世界に誇りえる理想港「大阪港」を実現しよう。
 
最近の協会の動き                            ・・・5
・昭和29年度大阪港復興事業の促進について・大阪環状線、臨港線問題の促進について
・大阪港海難防止対策委員会の活動開始について
 
港湾行政と港湾経営        (大阪貿易協会専務理事)  濱野恭平    ・・・7
 雑誌大阪港に記載された「港湾行政の複雑なる実態について」を読んで思うところを書く。
港湾行政は戦争末期に海運局に一本化された。それが今日戦前の倍以上に仕事も役所も増え役人も増えてしまった。
役人が港湾経営をする考えは間違いである。港湾は一つの企業、経営であり行政ではない。
港の根本は出船入船の繁盛であり、繁盛を妨害するような行政は阻止すべき。
本来振興会社といった民間会社に一元的に港湾経営をやらせて、行政はこれを応援すべきである。
その地方の熱心な実業人が中心とならねばならない。振興協会の設立趣旨もそうであろう。
市の外郭団体とかではなく大阪港のための熱心な実業家の集まりにして長く続ける大事業とならねばならない。
 
「大阪港便り」(3)                               ・・・8
・超短波無線電話を市港湾局曳船に装備
 
日本を繞ぐる海運同盟の現状と問題点   (大阪商船営業部企画課長) 宮本清四郎    ・・・9
日本海運が国際的海運同盟に復帰したのは昭和25年からであるが、この海運同盟が戦後の新しい法理念と法制に
より運営に著しい制約を受けるなど問題が生起している。
・オープンコンファレンスとクローズド・カンファレンス
同盟が排他的か、開放的かによる区別。同盟は本来観念的にはオープンだが、英国系同盟にみるように市場の安定、
通商貿易の健全発展を守るため加入を拒否した場合クローズの意味がある。
米国系同盟ではオーバートンネージにより加入拒否されることがないので実質的にオープンコンファレンスである。
米国系同盟でオーバートンネージになるにもかかわらず同盟加入したため混乱を招いた事例もある。
一方英国系同盟では、新規加入は難しい。特に日本船社が同盟を公取に訴える事件も発生している。
今後の成り行きによっては世界的慣習が根底からくつがえされることも起こりうる。
定期航路、同盟の運営は好不況にかかわらずコンスタントなサービスを提供することにあり同盟加入
について機会主義的な考え方は許されるべきではない。
・契約運賃制をめぐる問題
契約運賃制は、同盟の定めた一定地域内の出貨はすべて同盟船によることを荷主に約束させ、
この荷主に対し契約率を適応し、違反した場合はペナルティを課す制度である。
この制度を適用するには米国海事庁への事前届け出が必要とされているが法的争いも生じている。
日本の公正取引委員会は契約率の開きが9.5%以内であれば盟外船を排除するものではないとの判断を示している。
同盟に入らない船社による訴訟が米国において行われている。
・結び
同盟への新規加入については英米で考え方が異なるのは、英国が海運国で米国はそれほででもないことが原因。
日本の海上運送法は米国のシッピングアクトの焼き直しであり、英国系の同盟運営に疑義を生じる恐れがある。
そもそも国際海運同盟にわが国の公取の法的管轄権があるかも議論のあるところである。
海運同盟の混乱の原因は①政府の定期船建造主義により新造船が定期航路に進出せざるをえない
②日本の経済復興が急激で輸送能力過剰を生じさせた③戦後の経済民主化法により同盟の運営が制約
④日本のカンファレスマインドの欠如⑤戦前でも同盟の権益を侵さないアウトサイダ-はあったが戦後同盟の権益に食い込む結果となったこと。
 
欧米における印象     主として技術的事項について(日立造船 常務取締役)  桑原秀夫 ・・・14
・デンマークでの会議の模様 ヂーゼル機関のライセンスミーチングに参加した。会議は英語でやっていた
会議の段取り準備万端が行き届いていて会議は自動的にどんどん進んだ。
デンマーク郊外をバス観光したが、指揮者がいなくてもうまく行事が進行していて感心した。
・スイスのガスタービン 世界で最初のガスタービン発電所を見学 蒸気タービンに比べ非常に小さいのに驚いた。
需要がないので現在のところ船舶用のガスタービンは現在のところ作っていないとのこと。
・イギリスでの工場見学 日本の造船所は英国の競争相手とのことで、造船所は手を尽くしたがどこも見せてもらえなかった、
一方造機工場は軍の管理工場にも関わらず詳細に見学できた。イギリスは不思議な国と思った。
・ナピアーの試験研究 この工場の試験研究費は政府から50億円を得てエンジンの試作、改造を行っておりリバプールで量産を行う仕組み。
イギリスは衰えたとか聞くが、工業製品の発明・研究を奨励していることがよくわかった。
・イギリスの造船 イギリスは航空機(コメット機 ガスタービン機)でアメリカを10年引き離しており、
造船でも5万トンのドライドックを計画する先見の明ががあり打つべき手を打っている。
 
お願い! 大阪港編集委員会 「大阪港」編集についてのアンケート
 
港=皆戸     ~玄関ー一緒懸命ー人の和ーフェニックス      森昭人     ・・・17
大阪港は大阪実業人、大阪人全部の「皆戸(みなと)」でなければならない。
港は料理屋でいえば門構えであり、門構えが良くなければお客は来ないし近い神戸港を利用ということになる
神戸はこれといった大工業がなく貿易立市に一所懸命である。神戸への抜け駆けはやめて、
大阪で作った製品は大阪港通過を念願としたいもの。
環状線も協会の努力によりメドがついてきたが、もともと梅田から神戸港まで40分、
大阪港まで1時間かかっていたのは辻褄の合わない話。愛郷心を発露すべき。
大阪港はフェニックスのように戦後よみがえった。この大阪港を盛り立てるのが貿易都大阪人の急務である。
大阪船積研究会も大阪港振興を重要課題として取り組んでいく。
 
「港俳句欄」   句集 雪片より              高野素十     ・・・18
 
海難についてー海難の原因と類型―        日立造船船舶営業調査課       ・・・19
 (シップビルディング・アンド・シッピングレコード10月15日号より)
 1953年のロンドン海運業者総会でのJ・ローガン氏(英国運輸省付主席船舶検査官)の発表した論文の抜粋を記載
船舶の安全と効率に関する有益な知識は、海難の件数と原因を調査することによって得られる
この論文では1952年7月から1953年6月までの1500総トンから2万総トンの船舶についての一年間のロイドの海難報告
から書かれた。海難事故の原因と分析、後尾シャフトの損傷の問題、救助艇とサービス、地理的分布について報告され、
その後関係者間での討論の内容を記載している。
 
倉庫講座  第一講倉庫及び倉庫業     関西学院大学講師     有田喜十郎   ・・・23
 経済とは富を対象とし富の人間生活の性能を体系とする社会活動現象 経済活動は、経済価値の生産を意味する
経済は、「物の経済」と「価値の経済」に分けれる。倉庫業は「物の経済」にたづさわる。
商業は社会制度による価値生産である。物と人の関係を改変することで価値を増加させる。
商業は物を販売するものと保管、運搬、荷役するものに区分できる。
倉庫業は施設をもって物についてサービスを提供する。商売は経済価値を生産増殖させる。
物の人に対する関係でも価値を生成増殖させる
人間は時を持つ動物である。物を貯蔵することは人類の特性である。その蓄積によって恒常の経済活動ができる。
物を保守保管する設備が「倉」であり、人類は人間の社会施設として倉庫をもった。
貨物は動産であるが自ら動けない、運ばれる荷役されることで人間の経済活動が果たされる。
倉庫業は貨物を貯蔵保管するだけでなく、荷捌荷役を業務に含む。倉庫は貨物に時の価値を増す施設である。
倉庫は人間社会に必存の公益公用設備であり、近代経済機構においてますますその重要性を増し経済の発展を誘導誘致するものである。
 
「大阪港便り」(4) ・船舶用岸壁電話の本格的利用開始について             ・・・25
 
 大阪市に於ける水上生活者の実態          大阪艀船協会        ・・・26
 昭和28年9月大阪市民調査に艀船協会が協力して得た調査結果。水上生活者804世帯1775人で全体の80%が
港区、西区、大正区に集結し特に港区は約半数が生活している。大阪港の保有艀船は1599隻あるので約半数で水上生活が
営まれている。世帯の約半分は一人世帯である。残りも夫婦、子供1,2人の家族である。
世帯主の年齢は特に偏っていないが23~30歳までが多いとも考えられる。
また水上生活者のほとんどが瀬戸内海沿岸県出身となっている。
同居する子供が536人いて未就学児童が約6割いて136人は学齢に達し通学に困難を感じているのではないか、
さらに38名は中学に艀から通学しているか学業を中止していないか憂慮する。
 
「港ニュース」―振興会館の改装お目見得について                ・・・28
 大阪港振興会社(社長三宅正三氏)大阪港振興倶楽部(会長四宮忠蔵氏)の熱意と努力により改装工事が完了できた
 
 港湾統計                 大阪市港湾局         ・・・29
 昭和28年9月まで入港船舶 出入貨物 外航船舶国籍別 大阪港輸移出入貨物品目種別状況 5大港構成比較
 税関統計                 大阪税関           ・・・34
 昭和28年1月~12月  輸出入額、トン数  全国主要港貿易額調他
会 報
 
 
 
 

 大阪港no018 1953年(昭和28年)第04巻 第5号 Vol.4 No.5
 
 目次詳細・要旨
最近の協会の動き                        ・・・1
 大阪環状線の建設促進の問題について  国鉄当局に対する陳情要請経過
  鉄運建設審議会の一部委員との懇談、要請について
 ・大阪環状線建設促進に関する陳情書
 ・台風13号と大阪海難防止対策委員会の活動について
 ・近藤府港湾課長に欧米の地盤沈下対策の視察談を聞く
 ・昭和28年度協会事業の上半期貸借対照
 
海運と税制                藤井敬一郎     ・・・10
わが国の海運業の復興は、戦争による損失、戦後損失補償の打ち切りにより立ち遅れた。
国際競争に勝つためにも、利子補給をはじめとした海運助成が発足した。さらに根本問題としての
海運税制を是正するべきである。国税、地方税(特にシャープ勧告により海運業の特殊性を無視した
体系を実態に即して抜本的に)改革すべきで、国においても地方制度調査会、税制調査会を設けて検討進めている。
 
  
「港ニュース」                        ・・・11
・大阪埠頭倉庫の新倉庫竣功(安治川第1号係留岸壁2号上屋背面”A”倉庫)
・山下汽船船山春丸の進水(日立造船桜島工場)
・日本水産図南丸船団南氷洋へ(住友岸壁)
 
日英通商会議と磅貿易問題       小林忠一          ・・・12
日英のポンド貿易問題は①日本のポンド輸出の不振によるポンド貿易の逆調
②ポンド手持ち資金の枯渇と資金手当て難③ポンド貿易調整のためのポンド
輸入削減難であるが解決にむけて、英国側にも解決の熱意が見らねなかった、また日本も
場当たり的な思い付きに左右された面があるが、来るべき日英通商会談により
問題が解決され、ひいては世界貿易の発展に寄与することを念願する。
 
 
人、タクシー、書類、報告書    関西学院大学講師 有田喜十郎  ・・・17
 戦後の日本経済は底が浅いといわれながら、人、タクシー、書類、報告書はどんどん増加している
戦前倉庫業では1人で200坪であったが今は100坪弱で人手をかけるなど、人をかけすぎている。事務を集約して
書類を少なくして、記憶力を活用して頭で仕事をすないといけない。タクシーも多くなって、のろのろしていて
逆に遅くなってしまうので、電車、バスを利用してスピーディにした方が経費の節約になる。
役所に行けば書類が山のよう、民間でも沢山な帳簿、書類でいっぱいである。書類を減らす努力が必要
 
「港句会欄」  桐の葉港句会          野村泊月   ・・・18
 
港湾行政の複雑なる実態について                  ・・・19
 港湾行政の統一とその事務簡素化の問題解決は古くから港湾関係者の要望であった。
港湾行政には国、地方公共団体がかかわり複雑となっている。(別表)
港湾行政は助長行政と取締行政に分けることができる。
港湾行政の一元化を助長行政の面で行う場合強固な主体性を確立すべき。
戦後アメリカから数度にわたる序言により漸く港湾法ができ、大阪市が港湾管理者となったが、
今後の動きが、これらの問題解決への重要な因子となる。
 
世界造船界の趨勢 (モーターシップ8月号1953年)   日立造船営業調査課 ・・・22
 1953年7月の注視することは、船舶建造契約のキャンセル問題の蔓延化と英国が、海運、
造船産業の重要性を再認識した。
特に英国の造船業は世界の建造高に対する割合が減少しており回復するために施策を講じる必要ある。
 
 
大阪港の盛土と防潮堤について   大阪市港湾局調査係           ・・・24
 高潮防御対策として実施している盛土と防潮堤について紹介する。大阪港の西部はゼロメートル地帯となっており
昭和22年の修築10ヵ年工事から盛土を行い、25年からは独立的に港湾地帯高潮対策事業(防災事業)として
港湾区域内で実施している(別図)。高潮対策として盛土を選んだのは、戦災で焼野原となっていたこと、
河川内港化で浚渫土砂を活用できることである。盛土はジェーン台風(OP+3.8m)でも有効であった。
盛土未完了地区(暫定的防潮堤)、非盛土地区(恒久的防潮堤)については昭和25年から防潮堤防災事業として開始した。
盛土高さはOP+3.5m~4.5m(室戸台風以外の高潮への対応可能)とし、工事は、築堤、浚渫土砂投入、
乾燥放置の後整地、区画割を行う。防潮堤の高さはOP+5.0mとしている。
施工状況は、盛土733haの内216haが完了(港区35%住吉区39%大正区23%此花区18%進捗)防潮堤は緊急性から昼夜工事を行い
総延長16615mをすでに完了し水門等を残すのみで本年度内完了予定。
事業は、盛土工事と防災事業、土地区画整理事業の3本立てで実施。事業進捗には用地買収、
移転補償等が必要で市民の理解と協力を要するが、次第に協力も得て諸問題も解決に向かっているが、
工事も半分以上残っており一層の協力を期待する。
 
港湾統計                     大阪市港湾局  ・・・28
昭和28年度7月まで入港船舶 出入貨物 係留施設利用状況 外航船舶利用状況 5大港比
税関統計                     大阪税関    ・・・35
 昭和28年1月~10月  輸出入額、トン数  全国主要港貿易額調
会報
 
 
 
 

大阪港no017 1953年(昭和28年)第04巻 第4号 Vol.4 No.4
 目次詳細・要旨
最近の協会の動き                             ・・・1
 大阪環状線の建設促進問題の新たな展開について
   ・大阪環状線の建設促進について懇談会開催せらる
   ・大阪環状線建設促進委員会結成せらる
   ・堀港湾局長国鉄当局に要請懇談
 大阪港海難防止対策委員会の活動について
   ・海難防止対策実施要領の制定
   ・台風第6号に対する委員会の活動
   ・船舶関係者に対する周知徹底並びに協力方の要請
 昭和28年度定期総会
 
大阪港におけるサイロ計画の概要について  大阪市港湾局          ・・・6
 戦後主要港で輸入食料の取扱いがクローズアップされ、大阪港でもモツコ荷役から
サイロ計画による荷役の近代的整備が必要とされるに至る。サイロは近代的荷役機械と倉庫形式
を兼備した総合施設である。完成により年間数億円の間接的経済効果をもたらす。
 大阪港サイロ計画:取扱い目標 20万トン/年 将来40万トン
          水切り能力 300t/h 実働可動能力 200t/h
          貯蔵能力 計画容量 25000t 予備袋詰倉庫 5000t
          出貨能力 200t/h(貨車、艀、トラック 同時2系統)
          機会設備 水切り施設(ニューアチック・コンベアー) 精選機(セパレター)
               計量器 包装機 各種輸送機械 吸塵装置
               化学実験室 自動温度測定装置 燻蒸装置
          建築物  接岸施設、ヘッドハウス、ビン(計画図、フローシート)
          建設計画 第1期 接岸、水切等 2期 ビン および上屋等
計画立案に当たっては、文献、参考資料が乏しく、十分研究の余地がある。経済的運営としたため
今後バラ輸送の問題、燻蒸法とその処理 麦以外の穀物の取扱い、不良穀物の処理方法などの問題がある。
 
利子補給の後に残る問題         藤井敬一郎        ・・・11
 外航船舶建造融資利子補給法の改正が行われ財政資金は金利3.5%市中銀行は5%となるよう
利子補給を受ける。また固定資産税が0.4%に引き下げられたことにより、外航船については
手厚い助成策が発足した。一方、摘要外航船以外の船舶をどうするか、利子補給後の利益処分の問題
国の監督、検査の問題が残っており日本海運発展の視点から解決を図るべき。さらに船価の引き下げの問題にも
取り組んでいかねばならない
 
 
貿易の現状と現下の急務   日本貿易会関西本部参事  小林忠一    ・・・14
 日本の貿易は輸出不振、輸入超過、国際収支の悪化となっているが、原因はポンド圏の不振であり
世界的傾向となっている。輸出では船舶が激増している。昨年に比して悲観するほどではないが満足もできない。
ヨーロッパ諸国に比してドルの外貨手持ちが減少してきている。政府が有効な対策を講じてきていない。
長期的国策の上に立った貿易立国策が示されていない。輸出躍進するには何を次のステップとすべきか課題である
貿易関係業界の相互協力体制の確立が急務である
 
 
海運好況後の経済船      (モータシップ誌7月号)日立造船営業調査課・・・20
世界不況期に標準ディーゼル船が不況後の経済船となった。今回「ブーム後」の経済船を考える時期だ
採算のよい船を建造してこそ世界海運競争に勝てるのである
 
D.L.について                   大阪市港湾局調査係 ・・・21
基本水準面(Datum Level)の説明 大正8年ロンドン万国水路会議で定められた
最低低潮面に相当する水準面で海図、潮汐表の深さはこの面を基準とする
 
荷捌き施設等の整備促進へ       大阪市港湾局 土田八朗         ・・・21
港湾に求められる「本船速発」「港湾諸掛の低減」の為には港湾荷役の機械化を中心とする
荷捌き施設の整備である。今回、荷さばき施設の整備促進、港湾用地の確保
を目的に「港湾整備促進法」が制定された。その主な内容と条文
 
「港俳句欄」  油団 (高野素十) 山居 (関圭草)            ・・・24
 
海上衝突防止法の改正について     近畿海運局総務部長 加味光太郎     ・・・25
 わが国が1948年国際海上衝突予防規則を受諾したことにより、今回海上衝突防止法が
改正されたので、その主な改正点を説明
 
地盤沈下の近況について            大阪市港湾局技術課        ・・・33
地盤沈下対策として、地下水を一定の高さ以上に保つことが有効であるが、最近の臨海部における
地下水位の変動と地盤沈下近況を調べた。昭和21年~26年沈下量、25年26年の沈下測度を調べた結果
最近の地下水位の低下著しく、沈下も顕著となってきているため、地下水位を低下させない対策が必要
 
「大阪港」便り、台風13号について速報                ・・・36
 台風13号の経過と大阪港海難防止対策委員会の動き速報
 
港湾統計                       大阪市港湾局  ・・・37
昭和28年度5月まで入港船舶 出入貨物 係留施設利用状況 外航船舶利用状況 5大港比
          
税関統計 昭和28年1月~8月  輸出入額、トン数  全国主要港貿易額調 大阪税関 ・・・43
会報                                 ・・・45
  
 
 

大阪港no016 1953年(昭和28年)第04巻 第3号 Vol.4 No.3
  
目次詳細・要旨
昭和28年事業計画要綱    大阪港振興協会       ・・・1
 1.大阪港復興修築計画の最短期完成方促進の問題
    残余全工事を昭和28年度より5年以内に、特に安治川内港整備計画を向後3ヵ年以内に完成
 2.既存港湾施設の拡充整備促進の問題
    停泊施設整備、老朽上屋改装、関連諸施設の能率的改良整備
 3.大阪港交通網強化促進に関する問題
    ・国鉄環状線臨港線建設促進
    ・高速4号線建設促進
    ・安治川内港と都心結ぶ高速自動車道路
    ・港湾地帯水上交通連絡船強化
    ・臨港地区道路整備促進
    ・応急的交通対策(市電、市バスの復活)
 4.啓蒙宣伝、外航定期船誘致
    ・外航定期航路寄港促進ー大阪港の認識徹底
 5.通信網強化対策 6.海難防止対策 7.行政の簡素化 
 8.その他(国際空港、臨海工業地区、自由港地区等)の調査研究
 
最近の協会の動き                     ・・・3
 ・環状線、臨港線建設促進の問題
 ・大阪港海難防止対策委員会発足
 ・港湾行政簡素化に関する意見書の提出(行政監理庁大阪管区監察局長宛て)
 
海運助成政策の新段階            藤井敬一郎  ・・・5
 朝鮮休戦が急速に実現過程に入った。日本海運の困難を乗り越え発展するために
 努力必要。特に戦後日本海運が内部蓄積資本を喪失して、巨額の借入金に依存した
ことで金利負担が大きくなった。国際競争の中、経営基盤を国際標準並みに強化する海運助成が必要
 日英新造船運賃コスト比較でも1重量トン一航海あたり、日本12.4ドル英国9.56ドルとなっている。
 新造船に対する助成も行われてきたが、他の主要国の造船融資助成では極めて低金利、長期となっている。
 日本も金利を3分程度に引き下げ、15年以上の償還期間とすべき。
 また、シャープ勧告で船舶に固定資産税が課されることとなったが、要望により船舶税となり
軽減されることは喜ばしい。
戦時中の膨大な損失に対する戦時補償が打ち切られことを踏まえ、国際競争の中でフェアープレイを
行えるよう新たな海運助成を行うべきである。
 
仲仕の賃金制について           関西学院大学講師 有田喜十郎  ・・・7
 港湾はその機能から、仲仕、艀夫の良否に左右される。これらの生活を安定させ、人心を収めるのが
港湾業者の力を注ぐべきところである。そこで仲仕の賃金制について考察する
 仲仕には、常雇と臨時雇い(日雇い)がある、賃金も時間給(日給、月給)と出来高給に区分される
通常臨時雇いは時間給、常雇は出来高給となっている。仲仕の確保には収入の恒常化と増給が必要である
港湾の労務は変動要因が多く仲仕の収入は安定しない。賃金制の団体出来高給と時間給の比較検討した。
労働者の生活安定保障するには、収入を一定にする賃金定額支給制にする必要がある。それには生活調査を
実施し生計必要額を定めて支給し、稼ぎ高が上回る場合は、積立させ、不足する場合は積立金から
補足するなどして定額支給すべきである。このようにすれば、仲仕の品行が治まり、職務忠勤、勉励することにもなる。
 
 
天保山の由来                            ・・・9
 徳川後期、市内河川による土砂堆積より大型廻船は兵庫、堺港に逃れた。
そこで11代将軍、徳川家齊が天保2・3年にわたり安治川・木津川の河口を大浚渫した。
この時の土砂を堆積して、高灯篭で入港船の目印にし、当時の年号をとって天保山とした。
高さ10間、周囲100余間と伝えられている。
 
 
大型乾船渠(ラージドライドック)について      日立造船営業調査課 ・・・10
 レスリー・チャップネス氏による海軍技術協会の論文を記載。船の長さと幅の比率は船舶設計からすると、
船種により一定の法則があるが、喫水はドック、運河等の港湾施設により制限されている。
現時点では、全ての乾ドックも海軍の要求を受理しなければならない。
乾ドックのサイズは、戦艦と航空母艦のサイズで決まる。英国では大型商船に対応したドックが不足している。
将来は大型ドックが必要とされる。このようなドックを利用した船舶修理業が成り立つには、
短期間の減価償却を認めるべきである。・・以下ドックの経済性、大型ドックの使用方法について記載・・・
船舶の修理時間の短縮が世界的な海運競争の中で重要になることを英国は海運の現在の地位を保持するためにも十分認識すべきである。
 
「港俳句欄」                   野村泊月・関圭草 ・・・19
 
港運事業信用保証協会発足の意義                   ・・・19
 港湾運送事業の事業者の大多数は中小企業で事業資金枯渇のため経営が深刻な状況にある
そのため、港運信用保証会社を大阪市(港湾管理者)を含め設立することになった
資本金 旧港運の清算金7000万円と公募2000万円うち1000万円大阪市出資の資本で出発する
 
「港まつり」は市民の手で              三保築志      ・・・20
大阪の港まつりは、昭和7年以来21回目となるが、神戸の港まつりに比べて、全市民的行事になっていない
神戸に比べて発育不良の感がある。明治時代の市民が大阪港を作るのにどれほど苦労したか、また大阪港
が大阪市の発展にどれほど寄与したかを考えると、港まつりが全市的な祭に取り上げられても何ら不思議ではない
 
今年の「港まつり」の行事いろいろ                    ・・・21
(1)記念式典(2)船艇行進(3)港めぐり(4)市民放送演芸会(5)花火大会(6)海員港湾労務者慰安会
 
世界の造船状況(マリンニュース4月号抄訳)                     ・・・22
1952年の世界主要海運国(ロシア・ポーランド・中華を除く)100総トン以上の進水数は前年に比して増加し
、一位英国、2位日本となったが英国の半数以下である。
 
大阪港振興協会六ヵ年の足跡      振興協会事務局長 中島廣吉     ・・・23
大阪港振興協会が昭和22年7月発足して6年が早すぎた。戦争による荒廃から、関係各界、各社の努力により、
大阪港は立ち直り戦前最盛時の3分の1までに回復した。協会は設立趣意書にあるように「働く協会」として努力してきた。
この6年間の取り組みを各年度ごとに整理した。このような多彩、多角的、強力な取り組みができた根源はひとえに「人」であった。
 
「大阪港振興協会」新役員名簿                      ・・・28
 
港湾統計                   大阪市港湾局       ・・・29
 昭和27年度2月まで   入港船舶 出入貨物 係留施設利用状況 外航船舶利用状況 5大港比較
税関統計                   大阪税関         ・・・35
 昭和28年1月~5月  輸出入額、トン数  
会報                                  ・・・36
 
 
 
 

大阪港no015 1953年(昭和28年)第04巻 第2号 Vol.4 No.2
 
 目次詳細・要旨
最近の協会の動き                        ・・・巻頭
 ・大阪港海難防止対策員会の設置
 ・港湾行政の統一簡素化の問題について
 ・港湾地帯照明施設整備について
昭和27年の大阪港港勢について       大阪市港湾局    ・・・1
 ・昭和27年の港勢の諸要因
  米国の再軍備計画中だるみ、世界景気の後退、ポンド地域の輸入制限強化
  ->国内貿易の不振->邦船の運賃同盟加入により配船可能区域が増加->機帆船、帆船が大幅に減少
 ・船舶・貨物・乗降人員の状況
 
「大阪港便り」                           ・・・6
 ・船舶用無線電話の開始について
 ・後藤常務理事の学位授与について
 ・特別会員の推薦について
時事問題管見            小林忠一 (日本貿易会関西本部参事)・・・7
 貿易関係で新聞紙上をにぎあわせているもの①ポンドン問題②運賃同盟問題
 それぞれの問題と対応方策について
「港ニュース」                          ・・・11
 ・新造船相次いで処女航海へ
 ・港水上署警備艇の増強について
 ・南氷洋国際捕鯨船 図南丸大阪港寄港
 ・横浜港振興協会発会(会長 横商会会頭 半井清)
 
指定保税地域から自由貿易地域への発展について  保坂順一     ・・・12
 米国における自由貿易地域を紹介する。戦時中、税関所有の保税地域は海運局に移管され、
戦後は港湾管理者に譲渡された。税関は関税行政上の実質的保税地域をもたないので、
他人の土地、建物に指定保税地域の網を張って、輸出入貨物を必ずこの地域を通らせて、
貨物の通関手続きを迅速、確実に行おうとするものである。
 自由貿易地域は欧州の自由貿易港と指定保税地域との中間で利用者の利便、育成を目的としている。
米国では繋船岸の一部、上屋の周囲に鉄柵等でかこみ、ここで輸入貨物の蔵置、小加工を行い再輸出の便を図っており
(外国貿易地帯 Foreign Trade Zone)自由貿易地域と呼び、その法的根拠制度、利点、料金について解説。
日本も将来再輸出貿易が大きくなることが考えられ、その際関税行政が関門行政にならないよう、
米国におけるこのような制度を参考に港湾管理者が臨港地区の開発を経済総合開発的見地に立って企画していくべき。
 
大阪営業倉庫の推移ー昭和25、26、27年ー       沼田平一    ・・・15
 ここ3年間の大阪の倉庫業をデータでふりかえる
  昭和14年 15.5万坪                                                   戦前
  昭和19年 20.7万坪
  昭和20年  7.1万坪                                                    終戦 統制会社「日倉」解体
  昭和25年 10.2万坪 69.5%(利用率)5.0回  7.2回                            朝鮮動乱勃発
    26年      71.2%     6.2回  9.1回 (回転率(オドリ)トン数・金額別)
    27年 13.8万坪 67.0%     5.3回  8.1回 
26年の好況以降保管貨物の絶対量の減少により大阪港の倉庫業は不安定となっており
今度どのように対処すべきか試練の時に直面している
 
「桐の葉港句会」「雑詠」         野村泊月選      ・・・19
 
大阪地区造船工業について          日立造船営業調査課 ・・・20
・戦後の大阪の造船工業
昭和23年 鋼造船業者 23社 従業員 20595人 新造船能力 8.6万総トン(10%)修繕能力134万総トン(18%)
昭和25年では、合理化、近代化により 主な鋼造船会社は
 尼崎造船、大阪造船所、佐野安船渠、塩山船渠、名村造船、日立造船、藤永田造船所、蓬莱ドック 8社11工場
となった。この他鋼船兼木造船所7社 沖修理専門業者12社となっている 
・現在の造船工業
 鋼造船所12社16工場 従業員15000人 新造船能力 21万総トン(21%) 修繕能力 357万総トン(28%)
 昭和20年から27年までの新造船は15.9% 修繕船実績は24.5%であった。
・今後の大阪の造船工業
 大阪の造船業の将来は(1)今後の造船政策(2)大阪経済の復興 特に大阪港の復興整備による
 造船業は多くの関連産業を有する一大総合工業で工事の確保如何により関連産業への影響は大きい
 ので国家的見地から造船政策を考えるべき。また大阪港の復興促進策が強く望まれる。
 
大阪港に於ける機帆船の地位         大阪市港湾局調査課    ・・・24
 大阪港での機帆船を湾統計上概括すると、戦中の機帆船の統制は戦後も残り、近海汽船会社の元、
中央機帆船組合と地方の地区機帆船組合に二分されて、激しい運賃競争となった。統制解除、自主運行への
切り替えにより戦前の稼働率を維持する程度に回復した。
大阪港は地の利で、機帆船が輻輳し他の6大港でも機帆船が優位を占めている。
特に94%が瀬戸内海沿岸からの入港となっており、安治川他2河川へ係留されている。
取扱い貨物は、戦前は内国貨物の52%だったが、戦後は33%となっている。機帆船取扱いが戦後回復していない。
出貨物でセメントなど入貨物では土建材料、消費物資で入超となっている。
仕向け地は瀬戸内海等の近距離輸送は機帆船利用となっている。
大阪港は内国貿易に主生命を託しており、多数の河川を有する大阪港の機帆船輸送の優位は将来もかわらない。
 
湾統計                    大阪市港湾局        ・・・28
昭和27年1月~12月 入港船舶 出入貨物 5大港比較
 
税関統計                    大阪税関       ・・・29
 昭和27年1月~12月 昭和28年1~3月 輸出入額、トン数  全国主要港貿易額調
会報                                 ・・・表紙の3 
 大阪港振興協会定款
 
 
 

大阪港no014 1953年(昭和28年)第04巻 第1号 Vol.4 No.1
 
 目次詳細・要旨
最近の協会の動き                           ・・・1
 大阪港復興事業昭和28年度工事促進について
 〇 電報要請 〇代表団による政府当局への陳情要請
 大阪環状線並びに臨港線建設促進について
 〇 要望書の提出と陳情団の上京 
「大阪港便り」                            ・・・4
 大阪湾中航路の掃海完了の告示 岸壁船舶電話の開通について
 
昭和28年のわが海運界      藤井敬一郎(関西汽船文書況課長代)   ・・・5
(1)一般国際情勢の分析
 アイゼンハワー大統領となり、西側諸国に対してより多くの防衛負担をもとめるようになるだろう。
自らの手で防衛させようという考えだが、米国の援助なしには国防強化は図れない状況。
世界貿易を縮小均衡から拡大に転換させなけらばならない。チャーチ訪米にあたって貿易拡大になる項目を要望するようだ。
(2)世界経済と日本経済
 世界景気の後退による27年貿易実績は対前年減少となった。それは、日本製品の競争力薄弱、
通商航海条約締結の遅れなども原因。特にポンド地域の不振による輸入制限が影響している。米国も後半は景気停滞を予測。
(3)日本海運の進路
 このような国際情勢から日本海運も手放しに明るいわけではない。
船腹過剰は慢性的となり運賃市況にも影響を及ぼす。日本はロイド船級協会によれば、新造船で世界一となっている。
285万重量トンの日本船舶が外航路しているが、今後、国際海運競争をもたらし国による海運助成が必要
(4)わが国海運助成措置の新段階
 海運政策は、外航船拡充に重点が置かれてきたが、内航船は、国鉄、機帆船に挟撃され経営が厳しい状況。
戦時標準船が内航船のガンになっていて148隻残っている。
そこで新造船の建設と標準船の解体をセットにしたスクラップアンドビルド方式が策定された。
(5)船質改善助成実施要領
 助成要領の説明 スクラップ化のための利子補給制度など
 
港ニュース
日台定期航路第1船大阪港を発つ  〇石井運輸大臣大阪港を視察 
〇松盛丸(藤永田)第5満鉄丸(佐野安)相次いで進水
 
最近の為替貿易情勢と貿界立国策の強力な推進の重要性  日本貿易会関西本部     ・・・9
最近のわが国の輸出貿易は減退している。他方輸入は大幅増加となっている
その結果貿易収支は巨額の入超となった。貿易外収支は400万ドルの支払い超過
となり日本の国際収支を極度に悪化させている。特需が減退しボンド地域との貿易
不振が大きい。外貨の手持ちが大幅に減少している。経済復興、産業合理化、
再軍備の資材獲得のため積極的に外貨獲得を図るべき。昨年下期の西ドイツの輸出振興策が成功した。
貿易立国を推進するためにも、国際的協調をしながら国際協力により貿易量を増大させて
行かなくてはならいない。西ドイツの先例を手本に実効的貿易政策を展開すべき
 
大阪港艀回漕量の推移                    有田喜十郎    ・・・12
艀船業は艀船の船腹トン数と貨物量の関係が一番重要。景気の動向に合わせ絶えず貨物の動きに注意して、
過去の数字を調査して、将来の見透しを建てることが肝要。
大阪港は昭和23年民間貿易が再開され、昭和24年には第3位になった。
それにあわせ艀も増加したが昨年度は心細い結果となった。過去の整理が大切。
24年度は、戦時中の大阪港運株式会社他3社が解体され艀、曳船が元の業者に返還され4月から事業再開した。
24年から26年にかけての大阪港艀廻船量の推移、26年までは順調だったが、27年は大幅に減少し前途多難と思われる
 
 
世界の船腹                    日立造船船舶営業調査課   ・・・13
1.国別、船種別、船令別船腹の現状
  船腹は、英米等の海運国は戦前に比べ増加しているが、日独のみ2分の1から3分の1に回復したのみ
2.世界の建造中並びに受注済船舶
  1951年 貨物船425万総トン タンカー627万 客船等121万 合計 1173万総トン
  1953年 貨物船526万総トン タンカー946万 客船等114万 合計 1586万総トン 
 35%の伸びでタンカー建造比率が高い
3.船舶需要の見透し
 貨物量と船舶の質、荷役施設、輸送距離を考慮して検討する必要あり
 1956年における世界の商船(モータシップ誌10月号より引用)
 船腹過剰を考慮すべき。
 
 
木船運送業と木船国家再保について                      ・・・17
 木船運送業の産業界で重要であるが、企業規模が小規模、零細なため把握、育成が困難であったが、
昨年木船運送法が制定され、業者の登録、運賃制度の採用、営業保証金、標準回漕料制度が確立された。
今回加えて国家が再保険する、木船再保問題を取り上げ法案が上程されることとなった。
港湾運送事業者にとってもその効果が期待しえると思われる。
 
アメリカ港湾見聞記(8)                  根来実雄    ・・・18
 (別途連載シリーズ要旨参照)
 
「指定保税地域」決定まで              大阪市港湾局      ・・・20
 指定保税地域の決定に至る経緯については前号で発表されているが、
関税法の改正の経緯、大阪港としての意見、陳情により調整された経緯について
輸出入貨物は税関手続きが完了するまで一定の地域に蔵置しなければならず、この地域を保税地域という。
保税地域が使用目的により指定保税区域、特許上屋、保税倉庫、保税工場に大別される。
 
 指定保税地域の指定、管理の説明と法改正の経過と法令対照および6大港湾協議会からの
 陳情書、大蔵―運輸省間での覚書、大阪港で決定された指定保税区域の表示
 
関税法の改正案から10か月をかけ慎重討議された結果円満に妥協点に到達できた。
6大港湾で指定方針、保管規則、保管料について全面的に修正意見を出した。
現在若干釈然としないところもあるが今後関税行政の運営にあたって、港の発展に
寄与し努力すべきである。それが法改正の趣旨にも合致する。
 
 
港湾統計                      (大阪市港湾局)    ・・・26
 昭和27年1月~10月 入港船舶 出入貨物 5大港比較
税関統計                      (大阪税関)      ・・・29
  昭和27年1月~12月 輸出入額、トン数  全国主要港貿易額調
会報                                    ・・・31 
 第3回理事会、第5回大阪港復興推進委員会、第7回大阪港交通対策委員会合同会 議事録他
 
 

大阪港no013 1952年(昭和27年)第03巻 第6号 Vol.3 No.6
 
目次詳細・要旨
最近の協会の動き                       ・・・1
 大阪港指定保税地域設定等に関する委員会活動について
 大阪税関長より要請があり、船舶、倉庫、港運、乙仲関係事業者、官公庁により
 委員会を組織し議論を重ね、大阪港の歴史的特殊性を考慮した意見書を提出するに至った経緯
 
商港に於ける上屋運営論            保坂順一    ・・・3
 (1)上屋の機能 水陸連絡貨物の荷捌臨時蔵置に使用するのが原則、臨時は各港により異なる。
  (2)上屋の使用方法 一般使用と専用使用の違いとその設置目的。利用料の設定による効率的な運営方法  
  (3)使用料算出の単位 多くは使用坪数で使用料算出している
  (4)一般使用無料期間の存否 一般使用上屋の当初一定期間使用料を無料にする制度
  (5)一般上屋回転率向上法 使用料率が低いと上屋が倉庫化され公共性が薄まる。
       回転率を高める利用料率の設定方法について
 (6)使用料算出の期間 使用料を一定期間ごとと1日単位で徴収する方法があるが 
    今は1日単位が多いが一定期間で徴収する方法を工夫すれば回転率向上を図ることになる。
 (7)上屋使用料の問題 使用料を低廉にしすぎれば、占領され逆に不公平となる
    維持管理に使用料で賄えない場合は税投入となる一方、使用者が倉庫代わりに活用することも考慮して
    公平となるよう使用料率は定めるべき
 (8)公営造物使用料観念の是正 上屋使用料を公営物使用料として算出する混同も生じ不能率、不便
    の原因ともなっており、本来公営企業として運営すべきものであり新たな管理方式を採用していくべきである。 
 (9)公営企業としての上屋使用料算定の基準 東京港の例から収支償うためには倍額程度となる。
 (10)公営企業運営の一形態 上屋はその特質から公益企業で行うべきものを造営物行政で行っている。
    経済的な運営ができない。そのため利用が進まず、利用料も低く、税が投入され不公平が生じる。
    公益企業行政に切り替えるために種々方策があるが、東京港では事業協同組合方式となった。
    上屋は公営造物とし条例で条例で運営は組合に一本化し、都の経費を削減する。
    大阪港は東京港と性格で似ており振興株式会社もあるため取り組んではどうか
 
「大阪港便り」                        ・・・8
 ・大阪湾中航路(友ヶ島水道―大阪港の直航航路)の掃海完了
 ・港湾労働者並びに海員のための港頭住宅竣成(港区4,5丁目)
 
昭和27年の回想           大阪市港湾局      ・・・9
昭和27年は、講和条約が成立し、再び独立国として出発、大阪港の港湾管理者が
大阪市に決定された年である。
港勢:朝鮮動乱の休止により、特需急減するも大阪港では、外航船の寄港増加した
工事:此花区、港区、大正区、住之江区での港湾工事の実施概要
経営:・港湾管理者問題 大阪市が1月1日より大阪港の管理者として港全体の開発発展を計る責任者となる。
    大阪府と、水面占用、河川付属物の帰属、公有水面埋立免許権(大阪市)と取り決めた。
   ・諸問題 掃海の完了 ・通信網体系の整備 ・港頭地帯局地交通機関整備として、バス路線の延伸を図った。
   ・安治川第1岸壁利用状況 ・その他
 
海運この一年の歩み              藤井敬一郎   ・・・13
 4月の講和条約の発効により造船海運産業が占領政策から脱し自由な自律的運営が可能となたt。
 国旗の掲揚、日本のNK船級が国際船級と認められた。海運運賃市況は変動が大きかった。
 海運助成政策体系の確立のため、運輸当局においても審議が進み、分化委員会で答申が出された。
 その答申内容の詳細記載
 
昭和27年の大阪倉庫業を顧る         沼田平一    ・・・15
 この1年の大阪港の倉庫業の状況、倉庫業者数の増加(9月74社で戦前の5倍)所管坪数
も9700坪増加しかし戦前より17500坪少ない状況。朝鮮動乱で倉庫業もブームとなったが
その後の綿製品等の市況悪化により利用率減少した、また神戸の接収解除倉庫が稼働した
こともあり保管残高は減少または横ばい。量より価値の減少著しい。
倉庫証券流通も1割ほどにしかなっていない。
貿易量が倉庫に及ぼす影響大きいので大阪港の貿易量増加に期待する。
 
昭和27年の大阪港 港湾運送事業の回顧   野崎金衛(住友倉庫常務取締)   ・・・17
 港湾運送業等統制令の廃止ご4年空白時代であったが昨年5月に港湾運送事業法が制定され
今軌道に乗ってきた。1月から9月実績
(1)艀回漕実績 (2)艀運用状況 本船関係83%で505万トン それ以外は陸陸
(3)積載状況 積載率は艀トン数の80% (4)稼働状況 月平均4.8回
外航船荷役実績 荷役船884隻(164万トン 内邦船385隻 73万トン)
揚荷 125万トン(内邦船46% 外国船54%) 積荷 38万トン(内邦船39% 外国船61%)
揚積とも外国船が邦船を上回った。7~9月は夏枯れと台風で極度に閑散。業者間の相互援助必要
 
昭和27年度貿易実績と来年度の見通し   日本貿易会関西本部 ・・・20
 内には講和発効による為替貿易管理権の日本への移管、為替貿易制度の正常化
 外には英連邦輸入制限強化、米国関税引上げなど保護政策傾向の台頭
 そのような中貿易実績は比較的良好となった
 28年年度の見通し ポンド圏、A/O圏(最適通貨圏)、ドル圏との貿易額の推計
 
アメリカ港湾見聞記(7)         根来実雄      ・・・24
 (別途連載シリーズ要旨参照)
 
舶用ガスタービンの現状       日立造船船舶営業調査課  ・・・27
 船舶用のガスタービンの可能性について、現在タンカーで装備する計画あるが
船舶の場合は、燃料消費の問題で、陸利用ではガスタービンはスチームに勝るがしかし
船用ヂィ―ゼルエンジンに優れる見込みがない。たとえガスタービンにボイラー油を
使ってもヂィ―ゼルの2倍も燃料代がかかる。軍艦などの特殊艦艇で利用されるが、
研究は継続する必要あるが当面は使用する必要はない。
 
酔筆               滝田幸次郎(辰巳商会専務取締役)   ・・・28
お酒にまつわる話をいくつか書いたが、酒の歴史で、最初は口で噛んでためることから始まり。
般若湯、僧房酒、河内の天野山金剛寺が有名になり、慶長に鴻池新右衛門が良酒を発明、
徳川時代に伊丹で剣菱、男山が作られ、徳川末期には灘酒が日本一とうたわれた。
酒の飲み方、甘口、辛口、燗酒(湯カン、友カン、スルメカン)あるが湯カンが一番。
 
港湾統計             (大阪市港湾局)      ・・・29
 昭和27年1月~8月 入港船舶 出入貨物 5大港比較
税関統計             (大阪税関)        ・・・32
 昭和27年1月~11月 輸出入額、トン数他
国際港湾会議                A・B・C生     ・・・34
戦後独立してはじめて神戸で国際港湾会議が開催された。会議に向けて、国内準備委員会、協賛会
が組織された。堀港湾局長も準備委員会に参加し、大阪港宣伝用の英文パンフレット、大阪港図を刊行した。
10月9日に神戸商工会議所で参加16か国80名で開催、髙松宮、村上運輸相、山県国務相など臨席。
港湾の管理運営、施設の改良、運営の能率化について議論された。次期はロスアンゼルス港と決定
大阪港は中井市長、堀局長を代表で出席、局長から大阪港を紹介。市営港としての大阪港、貨物港的性格を
持つ港、トン数では入超、価格では出超。取引は東南アジア、アメリカを中心。港湾の管理責任者は大阪市
防波堤14370m港内水域面積1612万㎡水深9~10m河川筋4~7.5mなどなど、上屋倉庫官民で30万㎡
ポートサービス、曳船、給水、綱取を行い本船のクイックヂスパッチを図っている。港湾工事の詳細、
地盤沈下状況についても説明。「利用しやすい港」「能率化された港」の実現に努力している旨PRした。
翌日午前中は参加者による大阪港の見学、市内見学などに向かった。
 
 
会報                             ・・・37 
 
 

大阪港no012 1952年(昭和27年)第03巻 第5号 Vol.3 No.5
 
目次詳細・要旨
 
最近の協会の動き                       ・・・1
 ・大阪港復興促進委員会の設置と促進運動
 復興10ヵ年計画は5年経過もその進捗は30%にとどまって、市の財政状況から
 完成が危ぶまれたため、復興推進委員会を組織して、市、国各方面へ陳情活動を
 行った。その中で来阪中の吉田首相、池田蔵相に直接要請し、蔵相から起債枠に
 ついての特別の了解を得て4億あまりの起債認可申請を行うことになった。
・環状線臨港線問題に関する大阪港交通対策委員会の動き
・国際港湾会議代表団1行大阪港を視察(中井市長主催歓迎会)
 
 
景況の変転に耐えよ ―海運の近情ー      藤井敬一郎   ・・・5
 戦後の国際競争に耐える商船隊を再建するのは、占領政策下の制限のある中
困難であった。朝鮮動乱を契機として戦後の沈滞を打破できたが、その後の軍拡のスローダウンと共に市況が急転、
世界貿易縮小傾向によって日本海運の深刻な問題となった。大型外貿船については・長期造船金融機関の確立
・造船融資金利引き下げ・造船合理化によるコスト引き下げなど実施しなければならない状況となり、
現在2法案が検討されている。
 一方で中小内航船は助成策も少なく、打開のため内貿船主会が発足した。特に内貿貨物船
は助成措置がない。現在の不況下に堪えて将来の進展につなげるべきだ。
 
「大阪港便り」 ・大阪港の通信網体系の整備完成近い           ・・・6
 
所謂「輸出権制度」の問題について  日本貿易会関西本部    ・・・7
 日本の貿易業界で「輸出権制度」が問題となっている。
これは輸入促進のため輸出にプレミアムを付す複数為替制度である。
これは日本側の輸入促進されないと貿易拡大できないことによる。
輸出権制度の骨子と問題点。特にインドネシア貿易を例に輸出権制度を実施すべきでないこと。
打開策としては財政資金による緊急物資の大量輸入に活路を見出すべき。
一国ごとの為替操作から、多国間の相互的な決済方式を目指すべき。
輸出権制度は抜本的解決策にはならない。
 
海の横顔(1)               A記者                  ・・・11
ヒポック・ヒッポック火山の難民救済、マヌス島の戦犯輸送を行った大阪商船の
伊藤武雄氏が同姓同名5人が集まって東京会館で昼食をとった時のエピソード
 
「港ニュース」(1)                                 ・・・11
木津川掃海後の大型第1船(ギリシャ船ニコラス・バペラス号)入港
 
住友倉庫築港5号倉庫に用いられた新しい基礎について 大阪建築事務所専務取締役 高橋慶夫 ・・・12
大阪港の地盤特性と住友倉庫5号倉庫の建設にあたって用いられた工法
淀川のデルタ地帯である大阪は地盤対策が欠かせない
特に東京等に比べ支持層が相当深く、長い基礎を打つのは経済的に不利である
そこで、築港5号倉庫では圧密沈下、せん断沈下を考慮しベタ基礎で一部建物
全面を掘り下げる工法を採用したその理論的根拠
もともと絶対沈下のない建物を建築することは無理で素人に不安を抱かれないよう
使用上差支えない程度の沈下は予想の範囲にあるように設計することが大切
 
新造船価格に就いて       日立造船営業調査課      ・・・18
 船価は種類、契約内容によって異なるので単純な比較はむずかしいが
 1表は戦中の100総トン以上の船の1総トンあたりの船価
 2表は戦後1次ア^8時の新造船計画による契約船価
 3表は英国の貨物船船価の推移
 日本の船価は英国より10%~25%高いが納期が2年と早いので競争力あるが
 今後はわからない。4表は船価の原価で日本は75%が材料費であるが英国は
 50%で、労働賃金が上昇すれば船価に跳ね返る。
 造船コストの低減は①産業輸出競争力の拡大②造船業自体の輸出産業化により
 外貨獲得に有効である。利子補給等の法律が成立すれば実質利子が9.5%→5%になり
 競争力を保てるので、国会解散はあるが国による制度を充実させるべき。
 
アメリカ港湾見聞記(6)          根来実雄     ・・・22
 (別途連載シリーズ要旨参照)
 
「港ニュース」(2)                     ・・・24
 ・住友倉庫築港5号倉庫完成 ・杉村倉庫福崎SB51号倉庫完成 ・山下汽船 山月丸進水
 ・かりほるにや丸 完成 ・木津川筋初の大型船進水
 
港湾経済論序説        関西学院大学講師     有田喜十郎   ・・・25
 大阪商工会議所で港湾協会主催の講演会の講習内容を転載したもの
 港湾経済についての概況、港湾のそもそもの機能、港湾での経済活動の内容
 種々雑多な港湾という「場」におうて統一され総合されてひとつの機能を発揮する。
 そこに研究対象としての港湾経済がある。その特質は、(1)発着点の経済活動
(2)港を土台とする活動(3)港湾一体の総合的概念(4)交通運輸の中継
(5)設備施設が活動の源(6)公共性(7)設備の固定化(8)サービス業
(9)工事の変更、改廃(10)都市の経済力が港湾修築の力(11)運営の公平
これらの特性をもった経済活動を学問として体系づけられるかそのアプローチの仕方
関西学院大学の山本五郎先生が最初に港湾経済学問領域として樹立した。
 
俳句欄」                           ・・・29
 
港湾統計             (大阪市港湾局)      ・・・23
 大阪港入港船舶・大阪港出入貨物(昭和27年1月~6月)
 5大港湾入港船比較、海上出入貨物トン数表(昭和26年1月~昭和27年2月)
 
税関統計             (大阪税関)        ・・・26
 大阪港輸出入額及びトン量(昭和27年1月~8月)
 
港の宣伝                   ABC生    ・・・35
 大阪港の宣伝が足らないという声がある。単に港まつりをやるだけでは認識不足。
そもそも、港湾の宣伝とは、誰が担うべきで何を行うべきか。多くの船舶の入港を誘致するだけでなく、
市民への理解を得る考えもある。定義を明らかにしてその主体は港湾管理者だけでなく、
それぞれの分担で業者、会社、振興団体行うべきもの。港湾管理者には宣伝部門の組織化、
だれに何をPRするかが大切。外国港の利用宣伝では「ポートセーリング」といわれて積極的になされている。
刊行物、催事、組織化、様々な方法で発信する計画を作るべき。
大阪港の宣伝をやって日本海外に大阪港を知ってもらいたい。
 
会報                             ・・・36
 
 

大阪港no011 1952年(昭和27年)第03巻 第4号 Vol.3 No.4
 
目次詳細・要旨 
 
昭和27年度事業計画要綱                 ・・・巻頭
 
 大阪港振興対策を強力に推進するため、定期総会において、以下の昭和27年度事業計画要綱を決定した。
 1.大阪港復興修築計画の最短完成方促進の問題
 2.既存港湾諸施設の改良整備促進の問題
 3.港湾地帯交通、通信網の強化促進の問題
  (1)交通問題に関する対策
     イ)国鉄臨港線、環状線の新設促進の問題 ロ)大阪港と都心を結ぶ高速度鉄道計画の促進
     ハ)大阪港港頭地帯水上交通連絡線の強化に関する問題 
  (2)通信網強化の対策
 4.大阪港に対する啓蒙宣伝並びに外航定期船誘致等に関する諸対策の問題
   (1)外航定期路線の大阪港寄港促進について
   (2)大阪港に対する認識徹底のための諸対策
 5.港湾労務確保に関する諸問題
 6.大阪港艀船整備確保に関する問題
 7.その他臨時発生する諸問題に関する対策
 
日本を中心とする運賃同盟の現状と動き  大阪商船調査部       ・・・1
 
 運賃同盟は独禁法等の提要除外で認められているが、総司令部より12の
 定期航路の復活が許可されているが、既に外国船による運賃同盟が結成されて
 いる場合、あらためて加入が必要である。現状について動向をまとめた。
 ・琉球航路  大阪商船、三井、山下、日本海、関西汽船 5社で運営
        日本ー琉球運賃同盟を結成。2重運賃制を採用
 ・南米航路  大阪商船 に許可 すでに、オランダ、アルゼンチン船会社運航
        3社で極東リバープレート・ブラジル運賃同盟結成
 ・バンコック航路 大商船、関西汽、三井、NYK、川崎、飯野の6社
                すでに外航船メルスク社等7社運航
        日本ータイランド運賃同盟結成
 ・インドパキスタン 大商、山下、新日本 ・NYK、三井・国際ライン 3グループ
        英国ビー・アイ社等配船・・・運賃同盟結成の動き
 ・紐育航路  三井、NYK、大商、新日本 ・ 国際ライン(東邦、飯野、三菱、日産)
        2グループに許可、ドル箱路線
        日本―北太平洋岸 日本太平洋運賃同盟(日本含む 20社)
        日本ー北米西岸  日本大西洋運賃同盟(日本含む 15社)への加入
        復路は 別に 極東運賃同盟(米大西洋→日本)
               太平洋西航同盟(米太平洋岸→日本)への加入必要
 ・ラングーン・カルカッタ路線 大商、NYKに許可 現在、ビー・アイ、インドチャイ2社
        日本ーベンガル湾運賃協定あり
 ・インドネシア航路 大商、東京船舶へ許可 ジャワ同盟(ロイヤル・インター社の反対)
         ブランケット・クリアランスを得ていないが、東京船舶が第1船を出した模様
 ・韓国航路 17社に総司令部許可 運賃同盟結成されず
 ・欧州航路 NYKに許可 すでに強固な欧州航路同盟が結成されてる。
 ・台湾航路 11社に許可 中国政府が邦船に対しブランケット・クルアランスを与えていない
 ・香港、海峡地航路 NYK、大商、三井が同盟に加入
 ・豪州航路 NYK、大商に豪州海運同盟より招請あり交渉最終段階
     
「港ニュース」(1)                           ・・・3
 6月中 入港外航船舶最高記録達成  120隻 約54万総トン
 
戦後の大阪港―最近6カ年の港勢     大阪市港湾局     ・・・4
 戦後の大阪港の港勢の概括
1.終戦より昭和22年まで
 戦災により ①上屋65%倉庫50%焼失 ②軍事利用、維持補修の遅滞により港湾設備が消耗欠陥
 ③港内航行は機雷等で危険 ④臨港地帯の地盤沈下は平均満潮面下になる。
  21年22年で応急復旧工事を実施。23年までは貿易港として活動できず復興資材入荷港として
  最低限の機能しか果たせず(戦前の10%以下)
2.昭和23年以降
 昭和23年3月より1か月米極東海軍モルトン少佐指揮で掃海が行われ、8月に戦後初の外国船入港し貿易港
として再出発。上屋45棟、倉庫179棟、荷役機械312基で戦前の半数に回復
 入港船舶: 23年より外航船入港増加 26年で1千隻に達する。
 出入貨物: 25年のジェーン台風で一時減少したが26年には戦前最盛期(14年)の
       30%に回復した。6大港では横浜に次いで2位となる。 
 外国貨物: 25年に日本船の定期航路が復活、26年に日本9社外国14社の定期航路
       輸出入貨物は横浜、神戸に次いで3位となる。
3.むすび 戦後利用の制約あったため、大阪市の繊維製品の輸出、原綿の輸入の大部分が
     神戸港を利用することとなったが、今後復興事業が進展するにつれ、今後日本の
     貿易が対米からアジア貿易に重点を移していけば、大阪港はより発展するだろう。
 
 
「港ニュース」(2)                     ・・・
 
・第20回「港まつり」記念行事いろいろ
・豪州航路第1船、大阪商船大阪丸就航 ・戦後外注第1船テイニー号艤装完了北米に向かう
 
 
艀夫の居住問題について      有田喜十郎(関西学院大学講師)     ・・・10
 
 大阪港の艀、戦前昭和18年6409隻57万トンだった戦後26年で1615隻18万トンで
いずれも日本一多かった。大阪港の海上貨物の60%を艀が占める。ことは艀で河川運河を利用して
市内奥地、工場、倉庫に運ばれることが多かったため。大阪の経済活動の主動力は艀と言ってもいい。
その艀夫の居住問題について取り上げる。
 大阪港の艀の場合、艀船内に住み込んで起居する、一般の工場労働者に比べ責任重く、
また家族生活、子女の教育も考える必要ある。
 艀夫の特徴 ① 艀夫が乗船する艀単位で成績評価される ② 艀、積荷に対する艀夫の責任は絶対的である。
②艀夫が家族と居住する場合、艀の船頭として責任者となり、艀業者がから艀を預かり運用航行する雇用関係になる。
 
大阪港を俎上に         港湾担当第一線記者座談会        ・・・11
 新聞社6社記者を交えて座談会の主な意見
大阪港修築計画について
〇第1号係船岸、平林の1、2号貯木場整備されたが利用されていない〇大正区の貯木場移転問題いつ片付くか
〇交通問題無視している〇国鉄が公社になって独立採算になったから〇大正区の木材商人は土地に執着ある
〇交通問題、換地問題バラバラで統一感ない〇各省の縄張り問題絡んでる〇港湾の修築工事は都市計画としっくり結びつくべき
〇地盤沈下の問題に画期的な手が打てってない〇工業用水計画立ててある。
港湾施設の問題
〇此花=築港=大正=住吉を結ぶ交通機関がない〇港湾業者は艀あるから陸上交通に関心が薄い。
〇沿岸荷役もう少し機械化したら〇民間業者の資本の問題〇機械化による失業問題どうするか
〇公的倉庫増やしたらどうか〇公営倉庫論は時代に逆行
港頭地帯の問題
〇神戸港を目の仇にしている〇逆で神戸港が大阪港をおそれている〇大阪港は大陸貿易軌道にのらないとだめ
〇船員には大阪港の評判悪い、娯楽施設もない、都心に行く不便〇港湾計画にあった港頭地帯の建設必要
〇港振興会社だけでは心細い〇一つの土地会社つくっただけではだめ〇振興会社は眠っている
〇ぺんぺん草が茂っている懸念〇”潮湯”に替わる新名物必要〇水族館建設問題は立ち切れでおしい
〇港の宣伝力足らん〇神戸は港の問題で一致団結、市民によく認識されてる〇大阪人にとって大阪港は裏口か抜け道ぐらい
〇「港まつり」でも大々的にやって宣伝すべき。 
 
夏    枯                  甲子 生               ・・・13
 夏枯れはもともと芝居・寄席・料亭・遊郭の言葉、近頃は日常挨拶代わりに使われる。
景気に関連した挨拶で大阪人らしい。夏枯れは冬枯れから来たものではない、明治ぐらいから
使われだしたもの。暑季は生活では消費を抑えられるが、職業では忙しくなる業種もある。
多くの人が挨拶で”夏枯で”を使うのもどうか、逆に身軽くなれる夏に大いに働いておきたい
 
アメリカ港湾見聞記(5)        根来実雄                   ・・・14
 
       (別途連載シリーズ要旨参照)
 
「みなと」祭りの由来      港湾局調査係                     ・・・18
港まつりも今回20回目となったが、その由来を調べた。最初は昭和4年の第2次修築工事完成式典の際に
近藤博夫港湾部長から列席者に相談あったということである。その後大阪海陸協会で取り上げられ
大阪港記念日制定に関する委員会で議論され昭和6年大阪市等団体に陳情し了解を得た。
関大阪市長とも懇談を行った。昭和7年7月15日市港湾部主催で「第1回みなと祭」が挙行された。
次回以降については、大阪港記念日協賛会を組織して実施することとなった。事務所は市港湾部内に置いた。
第1突堤基部に天幕をはって祝典を開催した。第3回より大阪市行事として市民の関心を深めた。
特に2突付近での花火大会は圧巻となり港まつりの名物となった。昭和14年日支事変以降は祝典のみとなり余興は中止となった。
終戦後昭和21年中突上屋内で挙行され、22年度は振興協会が市と協力して運輸大臣以下参加の盛大なものとなった。
25年はジェーン台風で企画を中止した。
 
「港俳句欄」   桐の葉港句会           野村泊月選      ・・・22
 
 
港湾統計             (大阪市港湾局)                  ・・・23
 大阪港入港船舶・大阪港出入貨物(昭和26年1月~12月)
 5大港湾入港船比較、海上出入貨物トン数表(昭和26年1月~昭和27年1月)
税関統計             (大阪税関)                    ・・・26
 大阪港輸出入額及びトン量(昭和26年1月~12月 昭和27年1月~5月)
 
会報 
 大阪港交通対策委員会の動き                           ・・・27
 大阪港振興協会役員名簿 協会定款 
 
 
 

大阪港no010 1952年(昭和27年)第3巻 第3号 Vol.3 No.3
 
目次詳細・要旨
 
最近の協会の動き                         ・・・巻頭
 
 ・大阪港交通対策委員会(委員長:関経連副会長 栗本順三)の設置と諸対策の推進
 ・大阪港の電気通信網確保の問題について
 
昭和27年度大阪港工事計画について     大阪市港湾局     ・・・1
 
 27年度予算872百万円 で防災面、臨港鉄道、道路に重点を置く
 ・此花区 桜島梅町の盛土および防潮堤工事他
 ・港区  安治川内港化工事 臨港鉄道の盛土工事他 防潮堤3.4km
 ・大正区 大正内港の浚渫他 防潮堤1.5km
 ・住吉区 平林第3貯木場の浚渫完了後の残工事
 
「港ニュース」                           ・・・2
 
 ・木津川の掃海完了と安全宣言 ・南極捕鯨図南丸船団大阪帰港
 ・水上消防署新庁舎完成 ・中央突堤灯台完成
 
一般外航事情について      津山重美(商船三井取締役営業部長)  ・・・3
 
 海運は日本の自立経済達成のため重要であるが、自国の外航必要船腹量は400万トン
としているが、現在35%に過ぎず、低利の船舶融資などを活用して増強しているが特別な施策を要する。
戦前、定期航路70%不定期30%だったが、現在逆の割合になっており、今後通商協定が各国と締結されれば
定期配船が増加する。運賃市況は朝鮮動乱もあって一時高騰したが現在は軟調となっている。
講和発行により日本船は日本の国旗をつけれるようになった。今後各国と航海通商条約を締結する必要がある。
日米で交渉進んでいる。
 
「大阪港」便り ・大阪港港頭地帯電気通信網強化促進に関する要望について 
 
戦後のわが国造船界を回顧する    日立造船船舶営業調査課       ・・・5
 
 日本は、戦前600万トンの船腹をもつ世界第3位の海運国であったが、戦後130万トンとなり
大洋航行可能船舶は数隻だった。造船界は戦中は年間173万トン建造した記録があるが
戦後連合国によって厳しく建造が規制された。その後徐々に緩和され昭和23年ストライク勧告
で400万トン保有毎年40万トン建造が許された。昭和25年では国際船級船は23隻12万総トン
にすぎなかった。造船業建造能力80万トンあったが年10万総トン内外で、操業継続困難であった。
造船業崩壊の危機もあり、占領軍の援助で第5次新造船計画が定まり、手持ち工事量で世界4位まで躍進した。
しかし事業量依然不足し中小造船所は閉鎖、さらにポンド引き下げもあり、大造船所も合理化を進めたが、
鋼材の高騰もあり英国には勝てなかった。そのような状況で海外からの傭船、買船で対応との意見も出て
運輸省と通産省が正面衝突した。朝鮮動乱以降の世界的再軍備により世界の船舶不足になると考えられ、
自国での建造促進となり造船ブームが予想された。日本の造船業も近代化、合理化を進めたことで、
国際建造船価に近づいた。しかし主要19造船所の建造能力60万トンからすれば余裕があり、日本の商船隊を
復興させるためにも輸出船の増強を図るべきである。そのために借入金の金利低下、償還期限延長、
定金利長期融資制度の確立が必要である。
 
大阪港の艀回漕業の回顧  有田喜十郎(住友倉庫業務課長、関西学院大学講師)  ・・・11
 
 1.昭和26年の大阪港の艀回漕の実態を統計データで回顧する。
 2.貨物事情 大阪港の艀貨物は増加傾向にあり25年に比べて著しく伸びた
 3.艀運用状況:本船関係稼働73% 陸―陸など27% 積載率80~84%
        艀稼働回数 月平均5.4回
 
  
最近の内航貨物船とそれを繞ぐる諸問題    伊藤正雄         ・・・13
 
 戦後著しく狭小となった内航路は悪条件の累積により楽観を許さない重大段階にある。
内航運賃市況:25年に内航運賃同盟結成いらい青表紙運賃率より30%引き上げ赤表紙運賃
として実施されているが、採算は悪化している。外航高の内航安となっている。
内航船腹量と船腹構成:100総トン以上の日本商船隊 1019隻 334万重量トン うち内航358隻60万重量トン 
内航船隊は在来船24%戦標船75%で、内航は低性能、老朽船で占められている
内航不採算の根本原因:稼行率、稼働率の低い不良船、燃費の増高、荷役力の低下、修繕費の増高等々
低運賃と国鉄運賃による圧迫:国鉄運賃が政策運賃であり内航船の商業的採算運賃を圧迫している。
民業を著しく圧迫している。石炭以外は海上輸送が割高になっている。
今後の対策:スクラップアンドビルドによる合理化。中共貿易への期待。
 
「プリムソール・マーク」について                    ・・・15
 
 船腹についているPrimsoll Markについては、英国において過積載貨物により海難事故
が絶えなかったため、サミュエル・プリムソール氏が研究して積載限度を規定する法律を施行させた。
積載目安となる水平線を船腹に表示することとなった。
米国ではロードラインとして最大喫水視線を示している。
季節、地域より(水質、寒暑)で積載可能限度が変化するので水平線も何本かひかれている。
 
アメリカ港湾見聞記(4)          根来実雄          ・・・16
 
       (別途連載シリーズ要旨参照)
 
大阪港に対する大阪船主会の要望について                  ・・・20
 
 大阪船主会より、大阪港に対する様々な問題についての要望書が提出されたので
 要望事項と、関係先のそれに対する意見を表形式にまとめたもの
 
港湾管理者の行う統計調査について   田村文男(大阪市港湾局員)   ・・・23
 
 港湾の統計調査は明治の資源調査に変わって昭和22年の統計法に基づき全国画一的に毎月実施される。
これらは指定統計であり、国家委任事務に属する。一般の統計調査:日本の統計調査の問題として科学的
要素を欠いた調査は労多くして実益少ないものになっていた。
 アメリカ統計視察団団長ライス博士の指摘 ・統計の重要性の認識・統計の専門職をつくること
・統計を一元的に管理すること、逐次統計の統一簡素化を図るべきこと
 港湾管理主体の統計調査は如何にあるべきか: 海運、貿易に多くを依存する日本にとって、
港湾の実態を明確にすることは総合的な国策樹立上不可欠である。全国一律に調査した場合
個々の港湾の特異性が出にくくなるので調査に幅をもたせるべきである。
静態調査の簡易化、調査機構の一元化を図るべきである。統計調査区域の設定、陸域の確定、
その利用にあたって計画担当を取り込んだ組織、港の普及、啓蒙活動への利用、
予算の確保などおこない役立つ港湾統計へ前進したい。
 
 
統計調査              (大阪市港湾局)         ・・・26
 
大阪港入港船舶、大阪港出入貨物(昭和26年1月~12月)、5大港入港船舶、出入貨物トン数比較表
 
税関統計              (大阪税関)           ・・・29
 
大阪港輸出入額およびトン量(昭和26年1月~12月 27年1~3月)全国貿易統計図表(その1)
全国主要貿易額比率表  全国貿易統計図表(その2)主要品別輸出入額
 
会  報   大阪港振興協会役員名簿 協会定款            ・・・32
 
 
 
 

 大阪港no009 1952年(昭和27年)第03巻 第2号 Vol.3 No.2
  大阪港港灣管理者新発足記念
 
目次詳細・要旨
 
 付録図面 大阪港の港湾区域図 (昭和27年1月1日 大阪市港湾局)
 
祝 辞            運輸大臣 村上義一                 ・・・1
 
 大阪市が大阪港の発展の責任主体になったことは、画期的なことで、過去数十年の
大阪市民の不断の努力の賜物である。大阪市民の、市民による、市民のための港湾となったのは
憲法の地方自治の本旨に則るもの。
 今後、内港化計画、陸上交通網、防災施設整備が必要である。これらには大きな財政負担を要するが、
国もできる限りの援助をするが、地元管理者の熱意と努力をもって大大阪港が確立されることを期待する。
 
大阪港港湾管理者の発足に当りて  大阪市長 中井光次           ・・・2
 
 1952年1月1日大阪市が大阪港の港湾管理者となったことは、大阪市政史上にも特筆されるべきことである。
大阪市は明治30年以来独力をもって営々辛苦大阪港を建設経営して参り、この努力は遂に我が国にも珍しい市営港として、
日本の代表的港湾にまで発展するの成功を修めた。
再起不能かと危ぶまれた大阪港だったが、起死回生の十か年港湾修築工事を計画して再出発した。
戦後最大の港湾工事で大阪市においてのみ、よく実施出来る工事であると誇り得るものの一つである。 
 戦後の日本自立と貿易ー港湾の一連の関係は国の主要課題であって、特に港湾の近代的な運営に対しては
アメリカの熱心な指導があり、かくして一昨年5月31日に新しく港湾法が成立した。
 
港湾管理者設立の経過について    堀威夫(大阪市港湾局長)      ・・・3
 
 港湾法が成立して、大阪市が港湾管理者になるまで1年7か月を要した。
大阪市議会、府議会の議決を経て決定したが、港湾区域については運輸大臣の認可を
必要としたため、特に市内3河川区域を港湾区域に包含する場合、建設省の了解も必要となり、
河川と港湾で許可権限が重複しないよう府市で協議し、国、府市により最終的に、
重複区域における管理の基本方針を確立し、府市で協定し港湾区域が確定した。
 
管理者の発足に当って        会長   近藤博夫          ・・・4
 
 大阪港の管理者が大阪市となったことに感慨深い。大阪市民が「築港」に注いできた
熱情と努力を考えると、港の経営を大阪市に任せてもらっていいと考えていた。
港湾法のねらいがターミナル・コーポレーションのサービス思想に基づく事務的、能率的サービスの
向上にあるので、港経営に十分反映させるべきである。今回を新たな出発として
大阪らしい市営港らしい、新生面を拓いていってほしい。
 
港ニュース(1) 山福丸処女航海へ
 
大阪港復興の重要性        杉道助(大阪商工会議所会頭)    ・・・5
 
 大阪港が、人工港というハンデ、戦災、台風による壊滅的な被害により、横浜・神戸に比べて復興
が進んでいないが、克服できると思う。
大阪港に対する認識の相違が促進を阻んでいる。大阪港は他の主要港のような単に海陸輸送の接続点
の役割だけでなく、大阪工業と深い相互依存関係にあり、復興促進に集中すべきである。
大阪産業界が日本の運命は大阪が開拓するという強い信念の下自立経済の達成に尽力しており、
産業の動脈というべき大阪港が早く復興することを祈る。
 
港ニュース(2)大阪港入港外航船の新記録
 
港湾管理者の発足に際して       大阪税関長 梅原俊雄       ・・・6
 
 戦後6年を経過し目覚ましい発展をしており、大阪港は輸出入で昨年の2.3倍、全国の14%
と他港に比べ大きく伸長している。大阪市が港湾管理者となったことは大阪港80年の歴史で
エポックメイキングであり港湾管理者に期待する。税関業務の重要性から、港湾施設の新築等でできる限り
税関の業務遂行に便宜を与えてほしい。
 港湾管理者と緊密な協調、連携するためにも港湾関係各界の官民の代表を網羅する協議会を設けて、
港湾の管理運営に意見が反映できるようにするのが望ましい。
 関西の玄関である大阪港がより発展することを願う。
 
国際的大阪港に       大阪海陸協会理事長 伊藤武雄         ・・・7
 
 昭和23年に「大阪港庁設置調査員会」により合同研究し、各方面から注目、批判も受けたが、
中央で参考にされ、港湾法で「港務局」となって現れた。
大阪市は大阪港育ての親であり、大阪市が管理者となったことは喜ばしい。
大阪港は横浜、神戸にくらべ、国際貿易港として影が薄い。
港湾施設、交通機関が手薄である。修築十か年計画、環状線整備で足の問題を解決すべき。
 
港ニュース(3)大阪港関門信号所改装完成
 
環状線の促進    栗本順三(関西産業復興会議議長、関西経済連合会副会長) ・・・8
 
 大阪港に今まであまり馴染みがなかったが、戦後石炭の不足著しく、これは大阪港の荒廃が原因では
ないかと思った。近藤、中井市長がいた事は大阪港復興にとって幸運であった。
大阪港の復興に巨費を投じているが、市民の関心が高まっているのか杞憂する。
国鉄環状線の完成を急ぐべき、それは、市民の身近に港を引きつけることになる。
 
港ニュース(4)民貿輸出第1船テイニー号の進水
 
感想              後藤憲一(前運輸省港湾局長)       ・・・9
 
 大阪港の水域を確定できたことに当局者のご苦心をお察しする。大阪港が今後世界的になるか
地方港のままかは管理者のセンスによる。大阪港は世界的規模になれる可能性をもっている。
日本では他に東京港だけである。港湾法制定の動きは大正6年からあったが、その複雑錯綜した
内容を一つの法律にするのが難しかった。今回の港湾法は港湾の主権を地元の地方公共団体に
譲り渡すことになったが、アメリカ製洋服の様で日本に合わないところは今後変えてかないと
いけない。国は公共団体と領分争いをしないようにすべき、大阪港の港湾人は大阪港発展の
捨石になる決心をもつべき、大阪市民、府民は大阪港の発展がいかに自らの生活経済に緊密に
結びついているかを識るべきである。
 
港湾運営に期待するもの    近畿造船協会会長 松原與三松     ・・・10
 
 市営港として長い歴史をもつ大阪港が大阪市の単独管理となったことは大変喜ばしい
三大貿易港の一つとして多くの問題がある。修築計画の早期竣工、交通網の敷設、荷役能力
の増強。上屋倉庫は建設期は、民間の独立採算では困難であり、港湾企業形態の再検討をすべき
また、神戸と隣接しており、港の啓蒙宣伝、船舶誘致、住民強力を得ることが必要。
今後、港湾管理の官僚主義化を防ぐため、広く民間の協力を得るためにも管理委員会制度を
採用すべき、その後委員会を諮問機関から管理運営機関への移行を考慮すべき。
 
 
「大阪港」便り                         ・・・10
 
  大阪港港湾管理者発足披露 2月9日各界の代表者60名で国際見本市会館で披露宴を催した 
 
港湾法人とその港湾管理者たる在り方        山本五郎   ・・・11
 
 港湾とはそもそもいかなるものか、その理論的根拠から「国のもの」であるが
その国の機能をいかに分割し、地方に限界するかに港湾行政の問題がある。
港湾を管理すべき者は直接利害をもつその港の主人公であるべきあり、
国は管理運営の方法、方針を示すのみで、地元の港のことは遠い隔たりのある関心事となる。
港湾管理者として公法人格の特殊法人が考えられる。すなわち港湾法人である。
昭和29年に大阪港では、大阪港湾公社設立要綱を作成した。
 大阪港湾公社=大阪港庁の構想の内容
日本の復興を遂げるには、まず港湾都市を経済再建の根拠地とすべき、さしあたり
港湾管理者として大阪市となったが今後前述の要綱を参考に充実されるべきである
民主的なポートーソリティが誕生することを願う。
 
「海外ニュース」(1)
 
   1951年の世界造船状況 (日立造船調査課提供)          ・・・16
 
「玄関」と「台所」   田中直方(大阪港振興協会副会長住友倉庫社長)  ・・・17
 
 関経連主催の阪神の主要会員の懇談会が神戸で行われたときのエピソード
神戸の港運業者より大阪側の実業家にもっと神戸港を利用してもらいたいとの
提案あったことに対する私の発言
 神戸港は日本の表玄関、東京、横浜や名古屋、四日市のように競争関係に
あるという考えもあるが、神戸を玄関とすれば大阪は台所の勝手口で荷物本位
で本質が異なる。大阪は能率がよければ目的にあう。旅客より貨物港で
神戸とは相互に密接な関係で発展すべき、玄関が繁盛すれば勝手口も忙しく
なるというような漫談のような話をした。両港の共存共栄の必要を述べた。
 
「海外ニュース」(2)
 
      船舶の溶接建造の経済性 (日立造船調査課提供)       ・・・18
 
大阪港港湾管理者の決定に際して  大阪倉庫協会会長 山中九三郎 ・・・19
 
 大阪市が大阪港の管理者になったことは港の振興大阪市の繁栄にとっても喜ばしい
 特に港湾機能の強化に加えて、陸運関係、臨港鉄道、道路、上屋の地盤整備を促進すること
 倉庫機能が十分発揮できるようにお願いしたい。
 
「海外ニュース」(3
 
米国保税倉庫法の一部改正 有田喜十郎(住友倉庫業務課長)             ・・・19
 
大阪港に期待す       日本紡績協会専務理事  田和安夫       ・・・20
 
 今年、日本は講和調印して国際社会に復帰し、我が国産業の再発足の年であり綿製品の輸出量は世界1位となった
紡績業は原料全量を輸入、製品6割を輸出しているので海上輸送に協会として特別の関心がある。
大阪港は、高潮対策など推進して、荷主に安心感を与えるべき。港湾諸料率も改定されて、負担者としては
設備改善、外国船の誘致などを希望する。特に冬の綿花到着時には貨物が滞ることなく水の流れるように
捌かれることを期待する。
 
 
 
港ニュース(5) 便利になった市電築港線
 
港湾法実施に際して    大阪港艀船協会 会長    蒲原貞一    ・・・21
 
 大阪港は戦前年間3000万トンを取り扱い、横浜、神戸を遥かに凌いだ日本一の実力を誇った
が戦後は両港の後塵を拝している。神戸港は外務省に働きかけて、接収されている岸壁も
大幅に返還されるよう働きかけている。特段の努力をしなければ神戸港に大きく引き離されてしまう
大阪港の繁栄は大阪市の繁栄であることに大阪府市官民が耳を傾けてほしい。
管理者には民間業者の力の及ばない公共施設の拡充強化をお願いしたい。
戦前艀は60万トンあったが現在はその四分の一になっており艀の新造船のためにも融資保証制度を確立してほしい。
 
大阪港港湾管理者発足に際して   大阪港運倶楽部代表幹事 中田武教  ・・・23
 
 大阪港の港湾管理者が大阪市になったことは喜ばしいこと。港運事業者として、
管理者が民間事業者と競争的な立場に立ったり、民間の活動を抑制せず業界の保護育成を
また、港湾労務者対策として高潮に対しても安全な住宅の増設をお願いする。
 
港ニュース(6) ・内海航路の安全宣言と大阪港 
           ・6大港港湾会議が大阪で開催されることとなった
           ・南氷洋捕鯨第1陣第3天洋丸帰港
 
 
大阪港の振興のために労資協力関係の確立を 
           全港湾労組大阪地方本部 執行委員長 山戸美作  ・・・24
 
 戦前の日本経済はアジア近東諸国との貿易により支えられてきた
大阪港は輸移入港として重要な役割を果しているが今後もさらに増大する
これらは、1万人近い大阪の港湾労働者の生活を担ってきた。日本の全労働
組合は日中貿易再開を取り上げている。関西経済復興会議も中国貿易問題
に重大な関心を示している。労資の共通問題となっている。政治的な様々な
圧力とは別に純粋経済問題として中国貿易の再開を含めアジア近東諸国との
共存互助を図るべき。大阪港では、労資間紛争で解決でない種々の問題がある。
業界団体と港湾労働者の組合の統一的な団体交渉の機関設置が必要で名古屋は
すでに完成している。大阪港の発展のため労資関係に単一的秩序をもつことを願う。
 
 
アメリカ港湾見聞記(3)          根来実雄        ・・・27
 
 (別途連載シリーズ要旨参照)
 
港湾管理者業務の紹介  ー大阪港港湾管理者としてー大阪市港湾局   ・・・30
 
 港湾管理者としての大阪市港湾局の紹介 組織図と分掌事務
  管理課所管業務 ①管理業務②埠頭作業の能率向上
  海務課所管業務 ①岸壁及び桟橋②けい船浮標③引き船(3隻)④綱取⑤船舶給水
         ⑥水上起重機⑦塵灰搬出⑧航路標識⑨外航船に対する出航免状の発行
         ⑩錨地の指定⑪入出港船舶の調査⑫入出港届の受理⑬水面の取締
         ⑭海図及び水路告示⑮消化及び救難
 
港湾統計             (大阪市港湾局)        ・・・36
 
 大阪港入港船舶(昭和26年1月~10月)、昭和26年 大阪港臨港駅貨物調査表 
 大阪港出入貨物 全国主要貿易額調 
 
税関統計             (大阪税関)          ・・・39
 
 大阪港輸出入額およびトン数量
 
会報                               ・・・41
 
 
 

 大阪港no008 1952年(昭和27年)第03巻 第1号 Vol.3 No.1
 
目次詳細・要旨
 
講和の新春を迎えて     近藤博夫(振興協会会長)    ・・・1
 
 昨年は臨港線敷設問題、労務確保問題、通信網強化問題、窓口簡素化問題など 
 進展した。また内港化工事の1期完成によりルース台風の被害も食い止めた。
 今年は大阪港に外国船を誘致のための対外宣伝を展開、港の復興が大阪市全体の
 繁栄の基であるという市民理解を深める。
 
今年の大阪港         堀威夫(大阪市港湾局長)     ・・・2
 
 大阪港の港勢は戦前の大正10年頃に匹敵するほど回復してきた。神戸港への艀輸送
 が減少したが、大阪港への直接寄港が増えている。対日講和、安保条約、朝鮮動乱の
休戦により経済への影響の判断難しい。25年12月20日大阪港の港湾管理者が大阪市になる
ことが決まった。大阪港史上のエポックメーキングである。26年からの恒久的堤防工事は昨年の
ルース台風で被害を最小限にとどめた。今年は、昨年8月特定重要港湾の指定もうけたこと
から国も支援も受け、遅れている修築工事を重点的に進める。
 
「港ニュース」(1)             ・・・3
 大阪港港湾管理者の決定!!・・手続きを経て、27年1月1日より大阪市が大阪港の管理者となる
 
昭和27年の大阪倉庫業   田中直方(副会長、住友倉庫社長)     ・・・4
 
 昨年12月は日米開戦10周年でわが国に対する世界の批判を甘く見てはいけない
 大阪港の戦前の倉庫上屋50ha内外定期航路110,3000万トンだったが、戦争で大半を失った。
現在倉庫30haまで回復した。国全体では366haの倉庫が終戦時250ha
に激減し現在495haになった。大阪府下は40haで全国の8.5%となり神戸に次いで2位である
25年はドッジラインにより倉庫貨物が減少したが、朝鮮事変により一時的に急増した。
楽観は戒め、倉庫業は合理化して料金の逓減を心がけるべき。本年度の日本経済は余談を許さないが、
ダレス大使の言葉を覚悟として難局に処していく
 
我国海運の使命と今後の課題     伊藤武雄 (大阪商船社長)    ・・・6
 
わが国海運の重要性が認められ急激に船腹量が増加されつつある。
しかしまだ戦前の5割強でありさらに多くの船舶必要。世界の海運国は日本海運がダンピングで市場を攪乱
しないか恐れて制限につながっている。国際海運協調の精神で進めることが必要。
船舶の増強は急務、船価の合理化、開発銀行の枠拡大、金利の低減などを要望。
 
「大阪港便り」(1)                        ・・・7
 大阪港、尼崎両港に出入りする貨物の海上運送保険のサーチャージの廃止
 
船腹増強と輸出産業としての我国造船工業  松原與三松(日立造船社長)・・・8
 
  世界船舶量は戦時中に喪失した船腹回復に努力し、戦前を上回るが、内30%以上が老朽船、
戦標船であり質的回復が望まれる。世界第2位と称せられたわが国造船工業も、政府の本年度造船計画も一貫せず、
世界に立ち遅れ、造船工業の存続を危うくする。
船腹増強に優先的に資金が捻出されるべき。造船生産能力の過剰を認めるが、確たる造船計画を政府が発表すべきである。
 
「海外ニュース」                          ・・・10
 
 ニューヨーク港取扱貨物量は26年ぶりに最高を示す(マリンニュースより)
 
港運業好転への期待     中島時雄(三菱倉庫大阪支店長)     ・・・11
 
  講和条約の発効した昨年、大阪港の港運業の景況は異例の波動状況であった。
港運業は、「船車連絡上の枢要な機関であって、その活動が溌剌としているか
鈍重であるかによって、港湾の盛衰にかかわる。」港湾運送事業法が制定施行されたことは
特筆されるべきことで、「経営を妥当に規正し業務・料金を適正化し公平競争の基盤を確立
することになる。」しかし業者の登録も終了したが、確定料率の実行には一抹の不安の念がある。
大阪港は事業法に反するような事例は考えられないが試練の覚悟を要する
 
「大阪港便り」(2)                         ・・・12
 
 港湾用無線電話の実験について
 
アメリカ港湾見聞記(2)  根来実雄                 ・・・13
 
 (別途連載シリーズ要旨参照)
 
港湾運送事業料金について                       ・・・15
 
 船内荷役料 はしけ回漕料 沿岸荷役料等は物価統制令で改訂されてきたが
 港湾運送事業法が施行され、業種で、一般港湾運送事業(第1種)、船内荷役事業(第2種)
はしけ運送事業(第3種)沿岸荷役事業(第4種)に分けられ、事業者登録し、業種別の料金届出
になったが、運輸省承認料金を基準として事業者で合理的に修正したものとなった。
大阪港では、昭和26年9~10月で届出て11月下旬から実施された。
 阪神港で荷捌貨物に対して上屋保管料が新設された。さらに1種事業者の総合責任に対して
受渡手数料が定められていたが、荷捌料が港運料金から削除となった。
 「普通営業倉庫保管料率」の改定について
 統制価格から倉庫業法で運輸省公示の基準価格を標準として各倉庫業者で設定することとなった。
 
地盤沈下の原因について   高村靖                  ・・・17
 
地盤沈下問題は、大阪港移転説、廃港論までなり世間を騒がした。
地盤沈下の原因は、様々な研究がなされ、現在地下水説となった経緯を説明
地盤沈下には地殻変動によるもの、表層部のみの現象によるものに分けられる
表層沈下として天保山では、昭和3~7年で沈下が激しくなり最盛期は7~20cm
のところもあった。19年には停止した。沈下のメカニズムは種々考えられるが、和達博士
は地下水位に注目し沈下量と強い相関があり、沈下は「地下水位の低下により粘土層の圧密が
加速されるために起こる」という地下水説が有力となった。沈下は、工業用水、冷却用水で地下水を
大量に用いたことが原因であり、終戦当時、地下水位が上がると沈下も止ることで説が実証された。
沈下の原因が人為的なものでり、今後地下水を一定以下に下げないように工業用水整備使用、
地下水還元を行えば沈下防止は可能である。
 
大阪港について思うこと   森川謙三郎(住友倉庫専務取締役)    ・・・22
 
 大阪港は戦前は神戸・横浜をはるかに凌いだ貨物量(昭和14年3000万トン)を有していたが、
今やお話しにならないくらい淋しさである。大阪港は自然の良港ではなく、人力で作り上げた港だが
「隣には神戸港という天然の良港、しかも古い老舗と歴史を持ち国営港として経営せられてきた港がある」
ことで大阪港の運命も難局であるが、背後地に強大な工業生産力がある復活する可能性も十分にある。
河港、内港計画に方針転換し、海港を外港として活用すれば望み多い未来がある。
大阪港が都心から離れ交通の便が悪いのと緑が少ないのが繁栄を阻害している。
 
 
「港ニュース」(2)                         ・・・23
 
 春を控えて賑わう大阪港 外航船の入港実績表
 
船造り対談          X Y Z 生                ・・・24
 
聞き人:近畿海事局船舶部長 秋山兼良(造船のエキスパート)
語り人:南進造船相談役 池田為吉翁(日本の造船工業の功労者)
昔の造船所:日本の船つくりは、朝鮮の人が尾張に来て千石船を造り始めた
      明治10年以前は造船所はなく頭梁がいた。池田の他に三原、阿波家があった。
            池田家は享保2年に石川の大聖寺から大阪に来た人が千石船を作り出した。
            千石船は朝鮮征伐の時軍船を造るのに尾張、伊勢から船大工を集め
      それらが大阪に居ついたのが大阪の造船の由来。
            明治3年頃から北前船を建造、明治10年には七浜で16軒の頭梁になった
船の大きさ:当時50t~80t 大阪で最大は1300石ぐらい
今の頭梁:池田と三原ぐらい 造船所は今の千代崎橋あたり
船の種類:荷物船、留学から白峰、村瀬さんが帰ってきて洋型船(帆船)を作り出した
     大和船(千石船)は大阪が一番で洋型船より数が多かった
大和船の航路、積荷:北海道から にしんカス、靭にカス問屋
船の修繕:秋に木津川は修繕舟でいっぱい、三軒家で船火事があり、以降木津川の西に
     掘割を造って船を入れるようになる。北前船が1600艘ほど
艀について:明治20年から建造、明治18年頃大阪鉄工所が鉄舟を始める そのあと藤永田
船価は:明治38年当時で48トンの船で3000円かからなかった 工賃は40銭日
徒弟制度:13歳までを子供、15歳までを前髪、15~6歳で元服 17~18歳を若いもん
     池田家の弟子は、佐野安ドックの安、紀州日高の村上
乗務員:北前船で800石で14人ほど
進水式・船霊:大阪の船は優秀、進水日の前後3日間飲み続け、船霊は住吉から加太に流れ着いた立雛など
失敗談:明治28年に台湾の基隆で艀をつくるため職人を連れて行ったが、病気にかかって引き上げた
    欧州大戦で儲かった。大阪の造船が発展したのは辛棒が大切 
                         (この対談の後 池田翁は病気で他界)
 
酒仙         滝田幸次郎(辰巳商会専務取締役)    ・・・29
 
 天王寺公園で20年前に酒豪に会った出来事、江戸時代の酒飲みの会の話
 
市章(澪つくし)誕生記           A・B・C生    ・・・30
 
 明治27年3月26日に大阪市の市章が澪(航路)つくし(標識)になった経過と理由、
 発議されて10か月間議論を重ねて漸く決定された。難波津の昔から幾百年、大阪港は大阪市
 の発展と歩みを共にしてきたことから、港と都市の密接な関係を示す市章となった。
                (明治26年12月報告書および理由書)
 
港湾統計         (大阪市港湾局)             ・・・32
 
 大阪港入港船舶、大阪港出入貨物(昭和26年1月~9月)、5大港入港船舶表、出入貨物トン数表
 
税関統計         (大阪税関)                    ・・・35
 
 全国主要港貿易調べ
 
舌で訪ねる瀬戸内海     三宅正夫(関西汽船客船課        ・・・37
 
 近頃は、観光収入を「見えない輸出品」などと言っているが観光は旧態依然としたものだ。
味覚は観光地と密接な関係を持っている。
瀬戸内海では、福良の鯛の活造り、讃岐の銘菓木守り(キマモリ)伊予の名産(タルト)別府のフグと日出の城下カレイ・・・ 
観光地はただ、風景のみでは喜ばれない。その観光地特有の食べ物、施設、人情が伴わなければ長く人の印象に残らない。
 世界に見えない輸出品として誇示するためにはまず国内の人々も楽しめるものでなければならない。
 
会報                                        ・・・39
 
 
 
 

大阪港no007 1952年(昭和27年)第02巻 第6号 Vol.2 No.6
 
目次詳細・要旨
 
1981年の大阪港      神田外茂夫(関西汽船社長)        ・・・巻頭
 
  30年後の大阪港を想像したもの。雨に煩わされることのない港湾荷役、
  ポートオーソリティビル、原子力船の利用など未来の大阪港が描かれている
 
港湾の機械化と失業対策    野崎金衛(住友倉庫常務取締役)       ・・・1
 
 戦後の日本の主要港湾の荷役能力は戦前の35%まで落ち込んだ。朝鮮動乱以降船腹の
拡充は図られてきたが、港湾荷役能力の増強は図られていない。
荷役機械の新設など作業能率を上げる必要がある。
 一方港湾労働者の失業問題については、合理化に伴い、総取扱量が増加し、
荷役規模が拡充されるので十分吸収される。
 
「大阪港」便り(1)                         ・・・2
 港湾窓口業務の簡素化、ニューヨーク定期航路の大阪寄港問題、大阪湾中航路掃海短期完成促進、
 アフリカ、南米航定期航路大阪寄港開始が報告されている
 
講和後の日本海運       津山重美(大阪商船営業部長)        ・・・3
 
 戦前は日本の輸出入貨物の50%は日本船だったが、戦後は、20%に過ぎず200万総トンの
 船舶が必要である。実態上船舶増強は困難な状況であり、それを受け講和条約でも制限
 を加えられなかった。一方世界への航路が復帰される中、船舶増強を図るべきだが、
 日本は船価が高く、金利が高率でコストがかかる。
 世界の海運市場の激烈な競争に堪えるためにも船価の国際水準以下に下げるべき。
 政府は、ドイツ、イタリアのように特別な金融措置を講ずるべきである。
 
我国貿易の現状に寄せて    小林忠一(日本貿易会参事)           ・・・5
 
「大阪港」便り(2)                             ・・・6
 
 事務所と船を結ぶ無線電話の実現
 
アメリカ港湾見聞記      根来実雄                               ・・・7
  (別途連載シリーズ要旨参照)
 
港ニュース                                             ・・・15
 
 ・ニューヨーク定期航路復航路船相次いで大阪に入港
 ・第7次大型高速船のトップ山福丸進水
 ・日水図南丸船団大阪港出発南氷洋へ
 ・三菱倉庫桜島C号倉庫の竣功
 ・東洋一の大クレーン竣功
 
金毘羅詣での記        振興夢人                           ・・・16
 
 5人で金毘羅参り、神戸ー小豆島ー髙松 途中風浪激し
 
全国主要港に於ける港湾施設使用料の比較                            ・・・17
 
 大阪、横浜、名古屋、神戸、東京、国営の使用料の比較
 けい船岸、けい船浮標、上屋倉庫、荷上場、野積場、えい船、綱取り、起重機利用料
 船舶給水料、木材整理場使用料、じん灰搬出料
 
台風ルース放談        A B C 生                            ・・・25
 
 昭和26年10月に西日本を襲った台風ルース(名称)への港湾局職員の対応
 等、災害状況、2000人が局庁舎に避難した等、進行している、港湾工事と
 防潮堤工事によって被害をさけ得たことなど
 
港湾統計                                            ・・・28
 
 ・入港船舶(隻数、総トン数) 出入貨物(トン)
 
税関統計                                                ・・・30
 
 ・輸出入額およびトン量 ・全国(1~9月)主要港湾貿易額調
 
会報                                                  ・・・32
 
 
 

大阪港no006 1952年(昭和27年) 第02巻 第5号 Vol.2 No.5
 
目次詳細・要旨
 
昭和26年度に於いて協会の果たすべき責務は何か!!   ・・・巻頭
 
 協会総会における決定事項 ①修築計画の短期完成②港湾施設の整備促進
 ③港湾地帯交通網の強化④港湾にたいする通信網強化⑤港湾労務確保⑥艀船確保
 ⑦啓蒙宣伝、外国船誘致⑧港湾行政窓口の簡素化、港のサービス精神確立 他
 
みなと「大阪」に寄せる      松原興三松(日立造船社長) ・・・1
 
 大阪港は船舶、貨物とも日本屈指の港だが、横浜、神戸と比べて港らしく感じないのはなぜか
 弱点として西南風、不便、地盤沈下があるが、さらに船員の娯楽慰安施設がない
 現在の天保山あたりの荒涼とした有様、港湾施設に加えて船乗り、旅人の為にも
 大計画を立ててほしい。
 
 
アメリカの鉄道貨物運賃の変遷   神崎康郎(住友倉庫業務課)  ・・・2
 
 アメリカの鉄道運賃は、一年に何回も改正されている。一方日本の
 港湾チャージや倉庫料金の改定は、改定に多くの時間を要して、
 物価変動に遅れる。こころすべきこと。
 
終戦から平和まで 復興大阪港の歩み  大阪市港湾局       ・・・3
 
 ・はしがき 戦前名実ともにわが国3大港の一つであった大阪港が戦災により影をひそめた
       日本の復興の為にも港大阪の復興はクローズアップされた。
 ・港湾施設の復旧 1.港内外の掃海 2.航路啓開 3.陸上施設復旧
 ・復興工事 1.修築10ヵ年計画 
 ・港勢 1.港勢推移の概況 2.入港船舶 3.定期航路 4.取扱貨物
 
 
紐育定期航路の大阪寄港の問題について  小林四五二           ・・・7
 
 ニューヨーク定期航路での寄港地として神戸港と近接しおている等の理由
で大阪港は認められておらず、要望活動を行っている。
 雑貨輸出等の利点を運賃同盟に具体に説明することで、ローディングポートとして実現が望ましい。
 
ニューヨーク定期航路往航大阪寄港の問題に関する協会の動き    ・・・9
 
   大阪港がニューヨーク定期航路のローディングポートとしないという情報を得たので、
  協会として要望書をとりまとめ、日本の各省、同盟会議に要望文を日・英文にて提出した。
  要望文の全文。
 
紙上対談  港に生きる人々に聞く (中島事務局長)          ・・・14
 
大阪港の第一線で働く方々の意見を聞く会を開催。港湾施設整備の内容、港湾手続き、
ポートサービス面での意見および輸入貨物の荷捌きについての意見聴取。
 
港湾統計              大阪市港湾局            ・・・17
 
 大阪港入港船舶(昭和26年1月~5月) 大阪港出入貨物
 
創作欄 衣冠の侠客         A・B・C生               ・・・18
 
 西村捨三翁の思い出を小説風に創作したもの。大阪港を離れる場面から始まり、
 翁の来歴を交えながら、築港工事を進める際に起きた事故と殉職者への謡曲「鹿の瀬」製作、
 デレーケとの出会い、木村重成顕彰碑、そして防波堤の建設への取り組みなど
 エピソードを含めながら大阪港の建設にかけた思いが語られる。
 
会報                                  ・・・23
 
・振興協会昭和25年度決算、26年度予算他 
・大阪港振興協会定款
 
 
 

大阪港no005 1951年(昭和26年) 第02巻 第4号 Vol.2 No.4
  開港記念特輯
 
目次詳細・要旨
 
協会4年の跡を顧みて       中井光次(大阪市長)     ・・・巻頭
 
 協会4年目にして会長を辞するにあたっての言葉、市長として取り組む
 また、近藤新会長に後を託せることは大いなる喜び
 
就任に際して     近藤博夫(前大阪市長、振興協会会長)     ・・・巻頭
 
 病気により市長を辞任したことは大変残念、港の復興、臨港地帯の復興に力を
 注いだ、港復興のお役に立ちたい、港の人柱にでもなりたい気持ち
 
思い出の大阪港を語る    太田丙子郎(元大阪商船副社長)       ・・・1
 
 大阪商船の創立の歴史と、富島本社での思い出、海難事故
 中央突堤が涼み台、魚釣り場だったころ
 
協会本年度の課題              OP生            ・・・2
 
 協会4年目を迎えこれから取り組む課題の整理
 
大阪港修築十ケ年計画 工事概要とその現況 大阪市港湾局        ・・・3
 
 ・計画の概要 ・計画の主な内容 ・施工方法の一部変更
 ・工事予算額 ・工事進捗状況 図面:大阪港修築10ヵ年計画工事図
 
大阪港を中心とした航路の変遷  (大阪商船調査課)          ・・・5
 
倉庫業者の保険問題                愁畔生       ・・・7
 
港ニュース                              ・・・9
   ・7月15日入港検疫再開  ・大阪港内南港、北港の掃海
 
大阪港と住友 ~大阪築港第一号繋船岸(住友棧橋)工事の回顧~ 
                 有田喜十郎(住友倉庫)        ・・・10
 
 大正5年大阪市の委託工事として第一船渠北側沿岸に240間の鉄筋混疑土片桟橋
を築造に8年着手、背後に上屋倉庫を15年までに工費258万円にて完成した。
その工事内容の詳細が紹介されている。(設計・施行:住友合資会社工作部臨時土木課)
 
大阪港修築計画側面史             ABC生          ・・・14
 
 大阪港修築計画が22年6月戦後初、国の第1回港湾員会で審議された状況が
 克明に報告されている、苫米地運輸大臣、佐藤栄作次官、大阪府知事、市長、堀
 港湾局長以下60名に余る大会議となった。
 後藤港湾局長(運輸省)による修築計画の詳細説明内容および質疑内容が報告されている
 
 コラム:大阪港開港記念行事いろいろ 
   港まつり 7月15日(港内めぐり  NHK「のど自慢」大会 大花火大会)
 
港湾統計(大阪市港湾局調)                       ・・・20
 
 大阪港入港船舶累年比較(昭和元年~25年)隻数 トン数
 大阪港出入貨物トン量累年比較
 6大港入港船舶比較、取扱貨物トン量比較(運輸省港湾局調)
 
会報                                 ・・・22
 
附録  (港湾法改正全文)                      ・・・23
 
 
 

大阪港no004 1951年(昭和26年)第02巻 第3号 Vol.2 No.3
 
目次詳細・要旨
 
大阪港の港湾機能強化促進について     山中久三郎(杉村倉庫社長) ・・・1
 
 戦後の日本の経済の復興安定と国民生活の向上を図ることは急務であり、連合国に
 おいても、別の意味合いもあり諒解されいている。そのため大阪港の機能増強を
 充実を急ぐべき。特に臨港鉄道線と安治川鉄道線の建設を促進すべき
 
船腹造強と海事金融の必要性        松原與三松(日立造船社長) ・・2
 
 わが国の経済自立には、商船隊の整備拡充を図るべき、朝鮮動乱以降世界の海上運賃
 が高騰し、船腹不足が激化した。一方英米、西欧海運業者から、日本の造船を制限する
 動きもある。自国による造船を推進するため、長期、低利の海事金融制度を確立すべき
 
アメリカに於けるポートサービス
   とポートチャージに就いて   徳岡堅三(大阪市理事港湾局技術課長)・・・6
 
 ポートチャージに関する米国太平洋岸港湾施設使用料の冊子解説(内容は連載記事参照)
 
朝鮮動乱後の我国輸出額の実質的価値    内田勝敏(江商調査室)  ・・・11
   ~英国の場合と対比しつつ~
 
 朝鮮動乱を契機として、輸出入額とも激増したが、貿易量を測定する必要が
 あり、英国と比較しつつ、その実態を明らかにする。
 
邦船による外航定期航路の現状   (大阪商船調査課)         ・・・15
 
  昨年4月以降海運の民営が実施され、邦船定期船航路が次々開設されている状況
  と運賃同盟の有無
  沖縄航路 (邦船5社 沖縄航路運賃同盟) 南米航路(大阪商船 運賃同盟)
  バンコック航路(6社3グループ 運賃同盟)インドパキスタン航路(ビー・アイ社のタリフ使用)
 
大阪港便り                            ・・・17
 
 ・中井会長 大阪市長就任 協会岡野理事 西区市議当選
 ・シヤトル貿易博覧会の出る大阪港の偉容
 ・港湾運送事業法の制立 ・大阪港検疫支所開設 ・大阪港振興倶楽部の再建
 
酒塔                滝田幸次郎(辰巳商会専務取締役)・・・18
 
 柳生の里で見た酒杯の形の墓石から日本酒にまつわる日本の風習など
 
港ニュース                           ・・・19
 
 ・パキスタン定期航路第1船大阪入港 ・日本水産松島丸処女航海にのぼる
 
港湾労務に関する懇談会記事                   ・・・19
 今後の大阪港の発展のため、労務需給調整のあり方について意見交換
  特に1.港湾労働者住宅問題 2、荷役労務者の技術訓練所設置の必要性について
 話し合われた
 
船舶屯数の話            伊藤正男(関西汽船企画課長)   ・・・21
 
 船舶のトン数についての解説
 
港湾統計                             ・・・23
 
 ・入港船舶 ・出入貨物 
 
大阪港々湾設備の概要                       ・・・24
 
 ・係船岸、桟橋 ・係船浮標 錨泊 ・上屋倉庫 ・港内はしけ ・港湾労務者
 ・荷役機械 ・ポートサービス 
 
会報                               ・・・28
 
 ・港湾運送事業法案に関する要望他
 
付録          港湾運送事業法 条文           ・・・29
 
 
 

大阪港no003 1951年(昭和26年)第02巻 第2号 Vol.2 No.2
 
目次詳細・要旨
 
近藤君を送る        中井光次(大阪港振興協会会長)    ・・・1
 
 戦後初代の公選市長の近藤氏(元港湾部長)が病気のため市長を離任するにあたってのことば
 
大淀川港生まれる      副会長 田中直方(住友倉庫社長)   ・・・1
 
 地盤の悪い大阪港を地盤改良工法で内港化計画が完成したが産業港の需要高く
 淀川を掘り下げて守口までいずれは日本海に抜ける大運河計画の夢を見た
 
港湾の法的確立       鳥居辰次郎(近畿海運局長)      ・・・2
 
 港湾運送事業法が昭和26年から6年かけで難産した。港湾運送事業は公共性を持つが
 その経営主体小規模で脆弱、不安定による。港湾事業者を保護し健全に育成する
 必要ある。港湾運送は日本の産業の大動脈である。
 
アメリカ港湾の視察紀    徳岡堅三(大阪市理事港湾局技術課長)  ・・・4
 
 アメリカの主要9港湾を3か月かけ調査した報告(内容は連載記事参照)
 
国際物資割当機関が成立するまで 片山謙二(江商株式会社調査室長)  ・・・6
 
 朝鮮動乱後の世界的な価格高騰、インフレを防止するため設けられた国際物資
 割当機関の設立経過を解説
 
コラム 大阪港のO.Pとは!
 
大阪港ニュース     三題                  ・・・8
 
    ・大阪港入港外航船の新記録 ・大阪埠頭倉庫株式会社創立
     ・水難救済会の浪切丸完成
 
大阪港に於ける倉庫港湾対策   野崎金衛(住友倉庫常務取締役)   ・・・9
 
 重要原材料、食料の確保が急務となっているが、大阪港は神戸、横浜に比べ
 復旧が遅れ台風被害もあり、荷役能力は戦前の22%倉庫は50%すぎない
 昭和26年では倉庫3万坪の不足、荷役能力は現有の59%も不足するため、
 港湾能力増強等(項目ごとに具体数値を列記)を早急に実施すべき。
 
大阪港に望む   一外国船会社の話     XY生        ・・・11
 
 外船誘致を積極的に取り組むべき、そのためには、統計資料を充実すべき
 
大阪港の遮蔽に関する模型実験報告 (運輸省技術研究所港湾物象部)  ・・・34
 
 大阪港は港内フェッチ(対岸距離)が長いことにより港内波浪の問題ある
 そのため、防波堤を港内に設置する箇所を縦10m横6mの水槽で縮尺した
 模型実験でその有効性を考察しながら検討し一定の結論を得た。
 
定期船大阪寄港の問題        (大阪商船調査課)       ・・・33
 
 大阪港への外航船寄港の阻害要因とその改善方法について、特に南米定期
 航路における、運賃同盟に例をとりながら説明。他国に対して港を宣伝する
 べきと説く。
 
大阪港の船内荷役業の実態(昭和25年度)
                有田喜十郎(住友倉庫業務課長代理)  ・・・34
 
 昭和25年度の大阪港の船内荷役業の実態把握。荷役量が外航船では定期航路少なく
 臨時船が多いため変動する。現在沖仲仕1500人 1口20人とすると70口の帳場と
 なり、6000t級の貨物船では通常5口荷役のため、大阪港は14隻の本船荷役可能
 
大阪港に於けるポートチャージの若干の実例について        ・・・35
 
 大阪港が混雑していて18隻の在泊船がある。「より便利、より入り易い」
 大阪港となるために、現在の、船ごとにどのようなポートチャージとなって
 いるか実例を提示
 
大阪港を中心とした商用ならびに観光航路             ・・・38
 
 貨物船の外、観光の定期航路の実情紹介
 ・淡路方面 洲本航路(関西汽船) 
 ・伊予・讃岐方面 讃岐急行航路(関西汽船・川崎汽船)高浜航路(日本郵船・東京船 舶)
  東讃航路(関西汽船)
 ・徳島方面 小松島航路(関西汽船・阿波国共同汽船) 徳島線(阿波国共同汽船)
 ・高知方面 高知航路(関西汽船) 
 ・中国方面 尾道航路(尼崎汽船)
 ・別府方面 別府航路(関西汽船)
                  
 
港湾統計                             ・・・40
 
 大阪港入港船舶調  内外貿易別貨物調 出入貨物荷役形態状況調
 
会報                               ・・・43
 
 大阪港安治川内港臨港線乗入促進に関する陳情他
 
  
 
 
 

大阪港no002 1951年(昭和26年)第02巻 第1号 Vol.2 No.1
 
目次詳細・要旨
 
大阪市悠々大阪港管理者として発足            ・・・頁
 
 新たに成立した港湾法により、大阪港の予定港湾区域、管理者を
 大阪市とする旨が昭和26年2月1日公告された(公告 大阪市長 近藤博夫)
 
大大阪港の夢          会長 中井光次     ・・・1
 
   大阪港には深い運命的な思い出と愛着をもっている、大大阪の
   繁栄、近代大阪産業の隆盛には港湾の建設に当時の当局者、
   大阪市民の遠大な理想と信念、熱情、不断の努力の積み重ねがある。
   港の建設は焦ってはならない、30年50年先でなければ本当の意味と
   真価は理解されない。明治30年以来の外港建設、現在180度
   転換して昭和22年からの内港化事業が進められ再建充実が進められている。
   経済復興とともに大阪港は活動と貢献をする。港湾地帯の変貌は現実となった。
 
昭和26年の大阪港       堀威夫(大阪市港湾局長) ・・・2
 
   起死回生の10か年修築工事計画、特に今年は港湾法制定、ジェーン
   台風被害、朝鮮動乱、講和問題など重要な年となる。
   世界経済回復から海運力の増強で港の取扱量も伸びる。
   港湾管理者は市営港湾の沿革から他港湾のモデルとして
   管理者は決定されると期待されていたが、河口港として河川がある実際から
   予定港湾区域の決定に複雑な事情が絡んだ。市単独管理となることに府も諒解した。
   大阪港はヒンターランド近畿地方の海の玄関たる構想をもつべき。
   今回の港湾管理者制度は将来激しい港湾競争に発展する。
   港は民主的で100%効率的に運営されるべきである。
   港の建設では大阪港は天災に弱い自然条件を克服しなければならない
   内港化工事を行ったところはジェーン台風被害皆無、
   防災工事を十か年計画の中で強化すべきだ。
   
日本海運の再建    神田外茂夫(関西汽船株式会社社長)     ・・・4 
 
   昭和25年4月1日より日本海運は国家管理から民営還元された。しかし船主間での
   貨物獲得戦によって内外航とも不況を極めることとなったが、朝鮮動乱の特需
   政府による、老朽船等の買い上げにより劣悪船が除去され、日本海運が健全に
   再建する方策がとられた。北米航路他たの定期船航路も軌道に乗りつつある。
   外航船舶不足問題に米援助がトルーマンにより表明されたが、新造船による船腹確保
   が望ましい。その際は、遠洋大型船にかたよらず、アジア市場に根を下ろすよう
   に近海向け中型船も忘れてはならない。新造船の資金調達には、海事金融機関
   設立が望まれる。また建造船価が割高のため、造船業の合理化を促するべき。
 
大阪港短信                         ・・・6
     ・三菱倉庫大阪支店築港倉庫一部竣成
     ・日立造船桜島工場にて、タンカー松島丸の進水式
 
港湾に於ける公私共同企業問題  東寿(運輸省神戸港工事事務所長)・・・7
 
   1.はしがき-本論の範囲について
      大阪港振興株式会社等の公有民営企業の設立は、戦後の日本の
      社会経済組織構造の変化、社会思潮の変遷によるもので、港湾法の中で
      公私共同企業の形で解決することを提示する。
   2.公私共同企業の概念について
      諸定義あるが、国または地方公共団体が、資本、経営に参加することで、
      公共的機能を発揮し、同時に会社組織になることで経営能率をあげることができる形態
   3.公私共同企業の価値について
      どのような場合に公益企業統制の一手段としての公私共同企業が発達し価値を持つか
      についてナチス以前のドイツの歴史的な経過をたどり、その価値と分類、公有民営
      企業形態との比較をおこなった。
   4.戦後の港湾にいおける公私企業接近化について
      第1の実例は大阪振興株式会社、戦後焼野原となった大阪港を復興するには、公共による
     臨港施設にとどまらず、港湾機能に付随する諸施設を復旧建設する必要があった。しかし
     戦後すぐは民間企業にその力なかった。そのような社会情勢の中で設立されたもの。
      他に室蘭振興株式会社、東京港豊洲埠頭(東洋埠頭株式会社)の実例を分析し、港湾
     での適切な企業形態として公私共同企業がある。
   5.公、私企業接近化に対する港湾法の影響について
     新たに制定された港湾法でも、港務局、国庫負担のある突堤の倉庫の運営など
     では公有民営、公私共同企業形態が予想され、今後港湾ではこのような形態が増加する。
   6. むすびー予想される公私共同企業の2、3の例について
     神戸港第6、第7突堤での経営形態は公私共同企業形態が想定される。
     いわいゆる産業港湾施設では、このような問題がすでに顕在化していると思われる。
 
   
大阪港ニュース                               ・・・13
   ・安治川第1号繋船岸及び付属1号上屋の竣功
   
英国の港湾に於ける 廻航輸送(Turn-round of shipping)に必要な諸要因
          R.J.HODGES. M.Inst.T.
            General Manager and Secretary. Mersey Dooks and Hanbonr Boord.
                   妹尾隆彦(大阪市港湾局)訳      ・・・14
   ・その主要な要因
     (1) 船舶係留 (2)荷役設備 (3)労働問題 (4)付帯サービス
    ・船内荷役(ステヴェドア)及び他の業務 ・結論  ・翻訳にあたって
     
大阪港の艀回漕業の実態  有田喜十郎(住友倉庫業業務課長代)          ・・19
 
    1.はしがき 昭和25年度の大阪港の艀回漕業の実態を明らかにする
    2.貨物事情(年間540万トン) 3.艀事情(97社 小企業、1130隻 ジェーン台風被害 57%)
    4.艀運用状況(可動区分 船―陸48% 艀積載率 80% 月5航海)
    5.艀回漕料相場(統制額ではあるが需給で維持困難)
    
造船界の動向につて (日立造船営業調査課)                  ・・・22
 
    朝鮮動乱に端を発して、海上運賃は高騰し外航船舶不足が懸念される
     政府による応急船腹拡充策、外国船主からの発注 修繕工事の増加により
     造船界の工事見透しは明るい、一方で原料の高騰により船価の高騰を解決して
     優秀な経済船を建造できるかが問題。
   
大阪に於ける倉庫坪数とその利用情況                   ・・・23
 
    倉庫業法改正(昭和25年)後の倉庫(11万坪から12万坪に増加)
    実質4000坪の増加で倉庫ラッシュも一応頭打ちになった。
    保管貨物も統制経済の緩和とドッジラインの影響で金額ベースで漸減
 
港湾統計       (大阪市港湾局調)                ・・・24
    昭和25年大阪港入港船舶調 、輸移出貨物調、陸上出入貨物調
 
会報                                  ・・・27
    協会機関紙「大阪港」編集委員の委嘱について他
 
 
 
 
 

 
大阪港no001 1951年(昭和26年)第1巻
     ジェーン台風 災害対策特輯号
 
 目次詳細・要旨
 
 第1 大阪港廃港移転の迷論を爆砕す          ・・・1
 
    ・経済安定本部地盤沈下委員会大阪で開催される
    日本の土木学界の権威が出席し西大阪の地盤沈下により発生した
    暴論(大阪港廃港移転論)は何ら意に介するものでなく、
     むしろ積極的に防潮、内港化工事を推進することが風水害の防除し
    得ることが力説された
 
 第2 ジェーン台風災害対策と協会の活動について    ・・・3
 
  ・ 大阪港風水害対策特別委員会の設置 
     ジェーン台風の災害から復旧を強力に推進するため協会内に特別委員会が中井議長のもと設置された
  ・ 第1回大阪港風水害対策特別委員会
     港湾諸施設の応急復旧、民有施設の応急復旧のための資金確保
     大阪港修築、地盤嵩上げ計画を繰り上げて実施 などを陳情書にとりまとめ
     国等へ陳情すること(大阪商工会議所、大阪海陸協会、大阪港振興協会 連名)
     表:大阪市設港湾設備被害調書 表:大阪港民間諸施設被害状況調書
  ・ 近畿災害対策協議会財界懇談会
  ・ 運輸大蔵当局との懇談会
  ・ 代表団状況陳情    
  
 第3 最近に於ける大阪港港勢の概要につて      ・・・8
 
    表:大阪港入港船舶  表:大阪港出入貨物トン量
 
 第4 施設港湾設備災害復旧の概要について      ・・・11
  
    戦災復旧、修築工事により港勢が戻りつつあった中でのジェーン台風被害で
     大阪港は死の港となったが、港湾局による応急復旧により大半を回復した
    表:大阪港応急災害復旧調書
 
第5 寄稿欄 ジェーン台風災害の跡に観る OP生      ・・・11
 
    台風被害を未然に防ぐ手立てはなかったかについての検証と反省
 
第6 会議                       ・・・13
    ・第1回理事会議事 ・緊急理事会議事(台風被害)
    ・第2回評議員会議 ・第1回運営部会議事
    ・第3回理事会議事 
    
第7 雑報                         ・・・17